T君の日本語の講演  「追記」 78才の奇蹟

沖縄は曇天でした。雨もあってあんがい涼しい。
T君が日本語のセミナーに挑戦して、きょうその初のトライアルをラボ内メンバーを聴衆にやったと聞きました。かれにぜひやりなさい、といったのはわたくしでして、最初はわたくしは出席しないといったものでした。同席するとたぶん黙っていられないからです。
T君は東欧のある国の首都でそだち、コンピュータサイエンスを学んだのですが、空手が好きで本場の沖縄にきたいという願望もあって、それが縁でラボのメンバーになったのです。
早いものでもう7年くらいになりました。沖縄の女性をめとってもう立派な沖縄人になりつつあります。それに研究の才能もあって技術員として働いているのですが、もう4報も筆頭著者の論文があります。どれも個性的な立派なものです。残るは学位ですが、わたくしが京大の教授時代なら段取りはとれるのですが、いまでは難しい。
ともあれ、本土の大学や研究所やさらには学会で研究成果を日本語の口頭発表しなさいといっています。英語ならしゃべれるし、論文も自力で書けますから心配ありません。
彼の日本語は非常に進歩しましたが、でも日本語講演は相当なチャレンジであることは確かです。
でも、かれが見事な日本語の講演をして聴衆を魅了することこそが彼が日本の中で大きく育っていく条件ではないでしょうか。
彼はよくわたくしの注文にこたえてくれた、と喜んでいます。
非常に困難ではあるが、でも将来的に深い意義のある試みに違いありません。
ただ実際に聞いてないので、安心はできませんが。

【追記」
報道によると78才の男性が秋田か岩手の山中(乳頭温泉のあたりか)で20日間行方不明であったのが、奇跡的に救助されたとのこと。ご本人は衰弱しているものの、きちんとしゃべれたそうです。
沢で転落して歩けなくなったので、青色のシートを体に巻き付けてじっとしていた、とのこと。食べ物はチョコレートなどをすこしずつ取っていたとのこと。なにもしなくとも体温の低下によるエネルギーのロスを避けるために保温を大事にしたのはいいのでしょう。また、遭難時は糖分補給がいのちを長らえるベストの補給と昔からいわれています。糖分はからだにあまり貯蔵ないのに、血液中の必須成分で、少量でも外部補給があれば、飢えへの助けになるのでしょう。体内の糖や脂質からの変換は時間がかかるし、痩せていれば余分はないわけですし。どれくらいの食品で20日間をしのいだのか興味深い。またこの間に体重がどれくらい減ったのかも知りたいです。

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