精力的な捏造者についての記事、環境関係の2つのいい記事

きょうの毎日新聞の記事。
麻酔学に関する172本の研究論文を捏造(ねつぞう)したとされる元東邦大准教授(52)が、所属する日本麻酔科学会(森田潔理事長)を退会していたことが1日分かった。同学会は論文捏造問題を受けて、最も重い「除名」処分を検討していたが、医師の退会により処分ができなくなった、とのこと。

個人的な捏造で、この論文数はホントすごい。精力的としかいいようのない捏造で、たぶん想像力も相当なものと思わざるをえません。この年齢でこの本数の捏造というのは、書いた論文はほぼ全部、捏造なのでしょうか。ある意味、才能の持ち腐れ、なにか別な方に向かったら大成功していたはずなのに、との残念感が残ります。
ただ麻酔学なので論文をひとつも見る気持がおきません。ですから、捏造の技術がどれほどのものかはわかりません。でも長いことレフェリーも関係研究者も気がつかなかったのですから、相当な能力の人物です。賞めているのではありません。

きょうの別な毎日新聞の記事。
 河川法で定義されたダム(高さ15メートル以上)では全国初となる熊本県営荒瀬ダム(同県八代市)の撤去工事が1日始まった。18年3月まで6年かけて撤去する。事業費は約88億円で、うち19億円の国負担を見込む。県はダムがある球磨川の清流復活を目指し、上下流9地点を中心に環境モニタリング調査も行う。

いろいろあったようですが、ダム撤去最初のケースとのこと。すでに清流の戻る気配があって、釣りの成果もあがっているし、遡上した鮎の数も激増したと聞きました。清流球磨川と全国に鳴り響いた川が復活すると聞けば、太公望ならずとも,行ってみたい見てみたい、と思うのではないでしょうか。本当に環境がもどれば、沢山の人たちが来て遊んで行くでしょうから、この金額88億円くらい、安く感じるような時がくると期待したいです。

もう一つの毎日の記事、動物専用橋:パスウェイ、国内外に広まる 貴重種の生息域保護へ、はなかなかいい記事です。
道路などで分断された森の間を樹上動物が行き来できるよう「やまねミュージアム」(山梨県北杜市高根町清里)の湊秋作館長らが開発した動物専用橋「アニマルパスウェイ」が国内外に広まりつつある。環境省の準絶滅危惧種に指定されるヤマネなどの生息域を保つために98年に清里に設置されて以来、昨年には日光国立公園(栃木県)で導入、デンマークにも設置された。
全国の高速道路を管理するNEXCO3社によると、動物が道路上でひかれて死ぬ件数は、10年度約4万3500件確認されている。
豊かな雑木林が広がる清里のパスウェイは、市道上の高さ6・4メートル、長さ13・5メートルにわたって設置されている。ヤマネの他、リスやタヌキなどの動物が多い時で3カ月で約1000回橋を渡る。

読んでいるうちに、ほのぼのと気持が暖かくなります。見てみたいな、動物がちょこちょこと歩いたり走っているのを見てみたいと思いました。
そういえば、むかし読んだ本で奥深い山でも動物は人間が作った道路を頻繁に利用するとのこと。いわゆるけものみちよりずっと歩きやすいので、森林開発とかの道でもどんどん利用するとのことでした。それで高速道路を利用すれば多大な犠牲が出ることになります。その犠牲を減らしたいという、そのためのパスウエイなのですから、本当はそんな喜んではいけないのでしょうが。でも動物がどんどん利用するという実績があるのならひろめていくのが一番いいに違いありません。
こういうことにかけるお金はまったく惜しくないはずです。長い目でみれば世代を越えての継承がかならずや起こるであろう事業だと思いました。

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