日本政府の原発ゼロ方針、選挙めあてという意見もあるようですが、でも代替えエネルギー開発に国家が大号令をおろしたという点では画期的なことはまちがいありません。これまで冷や飯を食っていたすべての代替えエネルギー関連分野の研究開発はいっぺんに活気づくでしょうし、いろいろな意味で大きな産業の地盤変化を日本にもたらすかもしれない「決定」です。時期的なものについてはちょっと前に触れたので、それは繰り返しません。
きょうは経済関係からは強いブーイングをでていることを考えます。
当然なのかもしれません。高い電気代ではやっていけない、不安定な電力供給では工場もうごかない、それじゃ日本での生産を捨てて海外に行きましょう、というのが一般的かつステロタイプ的な反対意見かもしれません。さすがに原発は素晴らしいとはいいませんが、とりあえず(目先の期間は)安上がりでいい。電気代が倍になったら家計も企業もやっていけない。
でも本当にそれだけなのか、どうも最近急速に進んでいる「節電」自体が経済界ではあまりどころか非常に嬉しくないのかもしれません。日本の企業は真面目ですから、家庭に負けず劣らず節電努力をしていて、企業の雰囲気があまりよくないのではないか、限界まで来ているのかもしれません。やってられない、そういう気持を企業側に立てば持ってしまうのかもしれません。
しかし、そうはいっても一般の勤労者は半数もしくは過半数は原発ゼロに賛成でしょう。
節電にも大いに協力し、なけなしのお金もだして太陽光電気とか電気自動車とかそういう方向への傾斜は強いものになるでしょう。
企業の気持と一般勤労者のずれ、これは軽視してはならないので、これから国家的な課題としてずっと続くにちがいありません。
わたくしとしては、すべての代替えエネルギーを試し、改良する過程でいろいろなことがわかり、またあたらしいライフスタイルも生まれるに違いないと前向きに考えています。バイオマスもおもしろいし,生物からのエネルギー供給はかつてはそれが本流だったのでしょうから。
日本人の生活も大いに変わるにちがいありません。節電でも心身ゆたかな生活をしたい、こういうことでしょう。
そもそも最近自転車に乗る人が都市圏では増えています。
琵琶湖周辺でも5年前よりはずっと増えています。自転車にいちどお金をかけるとかなり長期に楽しめることがわかって来たに違いありません。山登りへの関心のたかまりもこういうエネルギー消費に関心を持つ人々の増加と関係あるに違いありません。エネルギー消費がすくない生活、どういう製品が売れ、どういうものが売れなくなるか、産業構造の変化は必至です。
原発城下町の現状維持のために国民の未来が損なわれるわけにはいきません。原発の町も未来に向けて衣替えをするべきです。同情のことばはタダでいえます。炭鉱の町がたどった道をおもいおこすべきです。良薬は口に苦しでしょう。教育や研究開発にぜひ目を向けてほしいものです。それこそ代替えエネルギー研究開発推進の先頭にたつのも一案でしょう。アトムの町から、脱皮するべきです。