昨日はウエブ上での講演会Living Longer and Healthierで短い講演をしました(convenorはDavid Janesさん)。4人の講演者がこのタイトルで異なった角度から論じてました。米国での最近の最大の関心はなにかを知り、かんがえるうえで刺激がありました。高齢者の孤立というか孤独が最大の関心事として取り上げられていました。日本でも何日間もだれとも話さない高齢者が増えているという指摘がありました。日本の大都市では多数の高齢者がいるが孤立が最大の問題という認識はどの程度あるのか聞いて見たいとおもいました。歩けなくても家族のひとりと会話が続くとおもうのですが、いま孤立した高齢者はどれ位日本ではいるのかまず知ることだなと感じました。
わたくしは体内の血液代謝物でどの程度老化進行がわかるか、特に認知能力と移動能力の低下は何を調べればわかるかという話をしました。日本では80歳台は多くの女性は健康に暮らし男性は数は減るもののそれでもかなりの人々が自立もしくはそれに準ずる生活を送ることが可能です。しかし、80台後半からは認知と移動能力の低下が進行し、自立能力は衰えてきてます。それでも80歳台の人口は1千万人もおります。元気なのは女性のようですそれが90歳台になるとわずか200万人にがっくりと減ります。百歳台になればわずかに8万人です。血液にある代謝化合物をしらべると十数種のものが含量が減るかもしくは増えます。増えるのは体にとって良くないもので、減るのは大切なもので減らしたくないものです。100数十のこれらの代謝物が高齢者にとってとても重要であることが分かりつつあるのです。
それではどうするか。
減ったものは増やせないか。増えてるものは体にとって毒のような働きをするのならその効果を緩和できないか?当然そのような研究をする必要があります。しかし老化研究はがんなどの研究に比べると日本ではなかなか光が当たりません。若い研究者の関心も低いです。わたくしも老化が可逆的なうちに「治療」できないか、そんな考えで研究に従事してます。