その日暮らしの国政、今からでも遅くない

比良のほうの天気は朝から良くなくて、外での作業が出来ないのでしかたなく書類の仕事をしていました。昼には天気は好転しましたが、年の瀬の用事もあるので、坂本のほうに帰宅しました。この時期の連休ですが、いまの日本は国政も経済も天皇誕生日をお祝いしているムードにはなかなかなりにくいのでしょうか。

福田首相の決断で、薬害によるC型肝炎ウイルスの感染者を全員救済するとの方針がだされたのは大変よいことでした。議員立法の理由を首相はくどくどいってましたが、一般国民にはあまり関心がないことでしょう。むしろ首相がこのような事態に至った経過の過程での責任というか行政のかかわりについてなにも言わなかったのが印象的でした。わたくしには、国民をまもるよりも行政の担当者をまもることに首相は熱心な感があります。たぶん官僚に文句を言われるのが嫌いなのでしょう。
その日暮らしの国政という印象が強くなりました。
支持率が急落していますから、支持を上げるために毎日毎日きゅうきゅうとなれば、そうなるのは当然でしょう。
年金問題をみても言われたら動き出すという具合なのです。年金でまた支持率が下がれば大変ということで、言われたことにつぎつぎ対応するだけで年もくれつつあるのです。
国政も個人の生活も、その日暮らしになっていいことなどあるはずがありません。
しかし、いつの頃やら、そんなふうになっているのです。
郵政民営化選挙あたりから、日本は地に足がついた政治ができないようです。
岐阜県での一選挙区についての報道などがこれでもこれでもかと出てくると、日本は本当にどうかしてしまったのではないか、とおもいます。メディアもほとんど自制心を失ってしまって。

わたくしは、本当は問題はもっともっと前、だいたい15年くらい前から根っこにある問題が生じたのだと思っています。少子高齢化という日本の抱える大問題に、しっかり対応せねばならない時にそれをサボってしまったのが、いまになって取り返しのつかないような、問題になってるのだと思います。でもまだ遅くないし、いまからでも取り返しがつくように日本全体で努力するのがいいのだとおもいます。
その問題というのは、まだ人口が多い、ポテンシャルの非常に高い黄金世代が青年から成人に達する頃に、かれらを大学に行けない、就職にもつけない世代にしてしまって、極めて多数の社会的脱落者を作ってしまったのです。脱落者は言葉が過ぎますので、非成功者にしてしまったのです。毎年50万以上、5年間で250万人以上の若者たちがいまも世代的な塊になって非成功者になっているのです。かれらの親が生きている内は問題の顕在化が抑えられてていますが、もう10年もすれば、問題は爆発的に顕在化すると予想します。
佐世保での銃撃事件の犯人はその一人で、この世代が社会に対して出した有力なメッセージの一つとおもいます。社会はそう受け止めた方がいいでしょう。
メディアはなぜか書きませんが、就職にもついてない若者がなぜこれだけの消費が出来るのか、おかしいではないですか。そのような親がかえの生活を送ることに、まともな社会的感性があれば、本人はそれ以上に内面的にもだえ苦しんでいたはずです。

日本の人口構成を見ると、平成17年生まれの幼児が100万人くらいとして、その二倍以上の人口をもつのが、昭和46年くらいから50年生まれだということに気がつきます。この人口急増の世代に文科省がいったいなにをして、なにを予想していたのか、今からでも遅くないので調査することに現代的な価値があります。
毎年50万以上の若者が大学に行きたくてもいけなかったのでした。大学や専門学校を卒業をしても、まともな職が無かったのでした。社会も知らぬふりをして、就職氷河期ということばをこの世代がうけたことをだいぶ経過してから報道を始めたのでした。
かれらが今や日本の30代を担う世代になっています。
わたくしは、今からでも遅くないので、かれらの世代の社会的存在と価値をを高めるために、社会はありとあらゆる努力をするべきだとおもいます。ひとりひとりに対して必要なら相談相手をつけてあげるくらいの社会的努力が必要だとおもいます。
わたくしも、できることならボランティアでもなんでも相談相手になりたいと思います。
もちろん職業人としての能力を高めることがいちばんたいせつでしょう。
そのような努力がこれからの少子高齢化社会を過ごしやすくするための大切な対策だと思います。今の一才の幼児が35才になるときに、昭和46年から50年に生まれた世代が60才代後半となりますが。人口比で二倍違うのです。
今こそ努力しなければいけないことはあきらかです。
わたくしも周囲にこの世代の若者が沢山いて、かれらの考えの甘さに驚くことがおおいのですが、彼等にはまだまだ努力とトレーニング次第で大きく変化する可能性があります。
大きな声では言えませんが、世代が下の方、若くなればよくなるのではなく、ますますひどくなるのかもしれません。
生涯学習ですから、社会が本気にかれらに向かいあえば、彼等が本来の社会の中核としての役割を果たせるはずです。

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