きょうは朝からいま書こうとしている論文の背景になる論文を5.6編よみました。
だいたい平素はまったく読まない類のものなので、頭に入ってもすぐ忘れてしまいそうな感じがあります。
長寿とか老化とか細胞分化とかそんなトピックスを主にした論文でした。わたくしが読むようなものですから、みな遺伝子レベルでの発見を主張しているものばかりです。
細胞分化はそれなりにはっきりした問題ですが、長寿とか老化とかになると、そもそもデータ自身がそういうことに本当に関係しているのかどうか怪しいものです。
でもこの分野もう10年も15年も続いています。分野というのは、遺伝子レベルで長寿や老化を理解しようというものですが。決してまゆつばだけではありません。非常に真面目に真剣に問題にぶつかっている論文もあります。
ただいつもほんとうかなあ、思ってしまうのは研究がモデル系なので、人間にあてはめて証明するにはまだだいぶ時間がかかりそうなのです。
ほんの数年の寿命のマウスが20年も30年もいきるように単一遺伝子を改変してできたら、それはもちろニュースです。でも20年も30年もかかる実験になるかもしれません。マウスでそうでも、人間では違うかもしれません。それを証明するには、一世代では無理な実験です。
現在の日本人の寿命が延びているのは、食べ物とか生活環境とかもちろん医療のおかげでしょうが、研究者はそれらを出来るだけ還元して単純な理由に帰したいのです。
どれかの遺伝子の作るタンパク質が年をとってもしっかり作っているとかしっかり活性があるとか、そんな話で理解したいわけです。
六編のろんぶんどれも自分たちの主張を前面に押し出していましたのは、この分野の特徴でしょう。あまりににもはっきりしないところがあるので、強い主張をしないと記憶に何も残らないのかもしれません。
しかし中にはこういう薬をのめば寿命がのびるはずという、仮説を提示していたのもありました。この分野もそういう研究者がいるようになってきたようです。
きのうスペインの研究者からシンポジウムの招待状がありました。時期は10月半ば会場はバルセロナとか。それはちょっと逃せないな、と思ってしまいました。もう長いことバルセロナに行ってません。センチメンタルジャーニーになるでしょう。