帰心矢のごとし、生活習慣病研究会の感想、もっと生理学を!

土曜は鎌倉であった生活習慣病の研究会に出席して一泊しました。日曜日には朝食抜きで、早朝にでて午前中10時すぎには比良の家のほうに戻ってきました。
畑が気になっていたので帰心矢のごとしでした。
梅が見事に咲いて、サンシュユも満開となりました。サクランボの花もほころんでいました。いろいろな木から新芽がでています。桜も三本あるのですが、数はすくないものの花芽があることは確かです。

研究会とてもためになりました。日本の糖尿病などの生活習慣病の代表的な研究者のかた達が主催されただけあって、講演もたいへんおもしろくポスターもほんとに勉強になりました。発表者ではわたくし一人が医学ではないのですが、でも研究内容的には沖縄の研究とある意味一番近い研究者のかた達の集まりなのだなとおもいました。
これはとても嬉しいことでした。
研究上の仲間をあらたに見つけるのは研究者稼業でほんとに楽しく嬉しいことなのです。
主宰者のひとりである東大の門脇教授がわたくしの講演の座長をしていただきましたが、わたくしたちの沖縄での研究の狙いや現状をもっとも深いところで理解していただいてるようで、ありがたいと同時に、感銘を深くしました。
わたくしにはもうどれだけの時間が残されているのか分からないのですが、でもまだ5,6年はこの分裂しない分裂酵母がいかに生き続けるのか、そのしくみは?という問いかけが出来そうなので、まさに体に気をつけて現場を続けたいとおもっています。
たった一日でしたが稔り多い一日でした。
沢山の人と話したので、どなたから聞いたのか失念しましたが、ラパマイシンを免疫抑制のために投与された患者さんは糖尿病になりやすい、というのが本当ならば、やはりTOR遺伝子の研究はぜひともやり続けなさい、という天からの暗示と受け止めました。
糖尿病というのは、ほんと研究してみたいテーマです。極めて多細胞的な病でありながら、しかし根本原因は単細胞のなかでの出来事にある、がんが20世紀の病気としたら、糖尿病や肥満が21世紀の病気なのでしょう。わたくしは晩年からこの21世紀課題に挑戦ですから、おのずと限界はありますが、やはり染色体でつちかってきた、細胞生物と遺伝学的アプローチを基本にしつつ、あらたにomicsを徹底的に使う、という路線は続けていくつもりです。
しかしサイトビジットしてくれた評価委員会メンバーたちの主たるコメントのひとつは、「もっと生理学!」をでした。わたくしも100%同感なので、このコメントにいかに応えるかが課題だし、真に応えられたらなにかブレークスルーがおきるはずです。

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