今回の旅行、わりあいいい気分で出発できたのには二三理由があります。
まず畑のほうの仕事をほぼ十分にやったので気持的に焦りがないこと。
2回分の講演、出発前に準備がほとんどできたこと。
講演内容もわりあい面白くまとめられたこと。特にリールで話すほうのは沖縄と京都とふたつラボの合作みたいなもので、わたくしとしては満足です。
いまパリ・ドゴール空港についてあちこち歩かされてTGVの列車に乗るための駅にたどり着きました。荷物は手荷物だけで預けなかったので、気分的に楽に旅行できます。
リールにいるS君とも今回借りた携帯電話でちゃんとつながりました。駅でまってくれるとのこと。ありがたい。乗れば一時間で着きます。
日本時間ではもう翌日になっていますが、こちらはまだ夕方です。
駅で列車がでるまであと一時間弱あるので、ベンチでぼんやり座っています。
2つの講演準備をしながら今回もいろいろ考えました。
考えるキーワードは「潮流」でした。潮目にいる自分を意識しました。
魚は流れの変化を全身で感じて先に進んだり身をひるがえしたりします。魚でない人間は、魚の動きを観察しながら川の中にある流れを想像します。
研究の世界でもおりおりに潮の流れの変化のようなことがおきます。
外界でも起きるし、内面でも起きます。
いまのわたくしは自分の内面が潮目の境界にいるのを感じます。
この年になって、研究生活45年もやって、そんな感じを持てるようになっている、自分がきわめて幸運な研究者であると、認識しています。
ただそれが客観的に研究成果として顕在化できるかです。それをなんとか実現したいのですが。
顕在化できなくても、研究者のしあわせ感というものはそこそこはもてますが。
後記 これを書いてあとで投稿しているのですが、実際にはTGV到着1時間遅れでした。携帯電話がもう非常に役立っています。