リールの研究所訪問、文部科学省元施設部長の汚職、日本の今風汚職

リールのこの研究所は日本でいえば国立で、数学、物理、生物というかなり広い分野の人達が生物のダイナミズムを研究しようという趣旨のようです。
リールは英国への列車の起点のようだし、またパリからブリュッセルへの途中ですから、これからこの町の国際性は高まるのでしょう。かつては炭坑の町だったと、聞きましたが。
何人かの人と話した後、講演をしました。
まあわたくしとしてはかなり満足ですが、聞いたほうがどうかんじたかは分かりません。こういう完全に新規な系にたいしては半信半疑くらいが普通でしょう。
ホテルに戻ってすこし休んで、それから晩飯をSさんと一緒に食べにいきます。

文部科学省元施設部長の汚職についてはずいぶん新聞になんどもでていますが、世間の反応もあまりないのは、誰も驚かないからでしょうか。金額が表にでているのが少ないからでしょうか
わたくしもほとんど話題にしたくないです。
つまりこういうことは当然あって、大なり小なりこんなことが日常的にあったとしてもまったく驚かないくらいです。やはり、という反応です。
わたくしのこのブログを読んでる人は、わたくしが京大の事務部のなかで施設部を目の敵にしているのをしっているでしょう。ですから、ここで溜飲を下げるような書き方は決してしたくありません。
しかし、こういうことがあれば上から下まで、一部の非常に良心的な職員を除けば劣悪ぷらす汚職体質、これがわたくしの知っている大学施設部です。細かいことを書き出すとわたくしも不愉快読む人も不愉快になるエピソードばかりです。
しかし、これでこれまでのわたくしの疑問が氷解した面はあります。恐がりに見える文科省の職員もやはり見え見えの汚職をしてしまうのか、という点です。
防衛省の守屋事務次官のケースとは違う面がありますが、業者にべったり寄っている点はおなじです。

中国の官僚汚職というのはすさまじい、とはよく聞きます。
とてつもないお金が要求されたり動いたりするらしいです。
日本の汚職というのは、そういう原色的な、もろに現金授受などをするのはずっと減っているのでしょう。
それより、はるかに巧妙な、目に見えにくいし、たとえ分かってもなかなか汚職として取り上げるのがむずかしい、そういうのが極めて多いのだと思います。
つまりサッカーの試合の審判が相手チームを露骨に贔屓するのでなく、好意的なジャッジをするとか、そういう感じのものが日本では多いのかもしれません。
お礼に現金をあげるのでなく、その子供に就職とかなにか便宜をはかったり、面倒みるのなどはもっとも日本的なやりかたでしょう。
こういうグレーゾーンの「汚職」の臭いは、いまの日本中に蔓延しているような気もします。
つまり露骨なルール違反の「ひいき」でなく、微妙な行為、もしくははるかに遠隔な場所や人間のレベルで便宜をはかってもらう、そういうのが今風日本の汚職なのではないでしょうか。
こういうものをじっくり精密に長期間、しらべるマスコミがいたらな、とおもいます。

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