戻ってみればやはり疲れました。
茨木から時間があったので近鉄バスに乗りました。阪大病院前までです。
阪大キャンパスに来るといつもおもうことは、阪大の人たちはみなさんチャーミングなのに、なんでキャンパスはかくも魅力がないのだろうと、思ってしまいます。大学人の手に負えない次元の問題のなのでしょう。でも、なんとかならないのか、この駐車場とのっぺらぼうの建物群以外になにか作れないものかと思ってしまいます。
分かってみると、このシンポジウムはK先生が主宰していますが、研究費でいうといわゆる理工系です。生物系のわたくしには、理工系の特定研究班に招待されて講演するのはこれが最初かもしれません。すくなくとも長いことありませんでした。しかし、わたくし実をいうと物理や化学がかなりわかるのです。かなり専門的なものでもわかっちゃうのです。若い頃の修業のたまものだし、そもそもわたくしは生体高分子構造学というお堅い名前の講座の教授だったのですから、物理化学の講義はいちおうできるはず、なのです。そういうこともあって、かなり面白く聞けたというか、平素まったく使わない脳みその部分を使った感じで気分のよいことでした。
シンポジウムの会場は阪大病院の裏にあって、午後から夕方まで、おもに生命現象に対する技術系アプローチの研究成果を聞きました。研究内容だけでなく、会場の聴衆の雰囲気が礼儀正しく、行儀がいいなあ、と感じたのもあたりまえ、理工系ですから。企業で充分やっていける人たちのあつまりです。
染色体や細胞周期の研究発表の後なら決してないであろう質問というか、話題が講演のあとの休憩や交流会の場にまであって、よい刺激になりました。