研究所の訪問と講演、風景にとけ込まない北米の観光客

日本ではもう日曜夜ですが、こちらはその13時間あと、朝です。
きょうは移動日ですので、いまのうちに書いてしまいます。
講演はやはり長時間準備したせいかうまくいったと思います。最近は沖縄の研究のはなしの需要が多いので、染色体のダイナミックスのはなしはそう頻繁にしてないので準備中に頭が整理出来てたいへんよかったでした。
今回のホストをしてくればAVさんにはたいへんお世話になりました。彼はほんとに親切です。
彼とのつきあいは最初抗体を頂いたところからだと思うのですが、その後Mis16とよぶ遺伝子が彼が長年やっていたRbAPというヒトの蛋白質にそっくりだとわかって、それから国外や国内の学会で会うたびに彼に質問したものでした。最初の頃はわたくしには不慣れな分野のタンパクだったので質問攻めにしたものですが、彼は実に明解かつ率直に未発表データを含めて教えてくれたものです。こんかいは、彼の研究所にいって同僚のかた達にもあえて本当に良かったでした。モントリオールにはまたこれるような気がしました。
カナダの研究者は研究費の争奪が米国ほどきびしくないこともあ流のかもしれませんが、余裕がある感じです。
講演のあとはすごいおいしいレストランに連れていかれました。米国では絶対不可能と思われるようなおいしさと落ち着いた雰囲気でとても良かったでした。

昨日は妻と二人でケベック市までいきました。片道3時間を超えるバス旅行ですが次のトロントでの学会の講演準備があるので、苦になりません。
外の景色もそう見なければならないような変化がありません。座席にコンセントがふたつずつあるのに感心しました。日本はこのあたりJRも含めて非常に遅れています。

ケベックの町自体のセッティングはお城の城壁で囲まれた旧市街、というもので非常にヨーロッパ的で、なぜかフランスよりもスコットランドのような印象をもったのですがとくに理由はありません。漠然とした印象です。小さな町ですが、観光客で溢れていました。どこにいっても人、人でした。
その人混みにもまれているうちにだんだん疲れてきました。歩くのが疲れるというのでなく、心理的な疲れです。
どういう疲れか、一晩寝てみるとよく分かりました。
つまり観光客がそうじて風景にとけ込んでいないのですね。彼等を見ているうちにかれらの傍にいるうちにわたくしはだんだん芯まで疲れたのでしょう。
日本国内でも、観光に人気のある場所でも訪問者がそこの風景にとけ込まない人たちが大多数のところへは決して行かないようにしているのに、今回のケベックは結果そうなってしまったようです。
北米人には、あえて米国人といわないのはやはり相当数はカナダ人でしょうから、景色というものにとけ込みにくい気質があるのでしょうか。
世界中でそういう印象をあたえてるのでしょう。
でも本当は彼等はそういう景色にとけこむ生活の技術のようなものを身につけることに純粋に憧れているような気がします。
日本でも修験者の服装をしなければ駄目という山寺とか、ある種の服装制限をした観光地をつくったら結構人気がでるかもしれません。

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