博士をとっても就職難という記事はよくでますが、博士の学位をとっても給料は一円も高くならないという日本の慣習を問題にする記事を見たことがありません。
わたくしのラボからも民間や官庁に就職するのはたまにいるのですが、そのたびに博士の学位をとってるとすこしは給与が良くなるの?と聞くと、全員が首を振ります。
これまでただの一例も日本で博士学位に給与を多めに出す、というのを聞いたことがありません。
これは医師の資格などとは大違いです。医師の資格があればどんなに分野が異なろうと、相当な割り増し給与が出ることは周知のことですから、日本では博士の学位は世俗的価値はまったくゼロと言うことになります。
ただ、博士の学位がなければ大学や研究所の職を得るのは難しいので、無ければ駄目、でもあっても給料が無い人より、一円も多くならない、そういうのが日本での博士学位を得た人への待遇というか仕打ちなのですね。
これで、科学技術立国、どこからそんな言葉がでてくるのか、不思議です。
博士取得者はみなかすみを食べているわけでもないし、またあまりに浮世離れしているわけでもないのに、です。
しかしこの不景気の時代、こんなことをいってもどこからなんの反響もないのでしょうけれど。でも、最近時折博士の学位をとったものに、高校教師の資格をあたえたらどうか、とかそういう意見を見たりすることがあります。わたくしは、一定の大きさ以上の官公庁やでは博士の学位をとったものを一定の割合以上雇用する義務を課してもらうのが、博士の学位取得者の質を高める最善の策だと思っているのですが。
きょうは久しぶりに京大病院での検診でした。月曜なのでかなり混んでいました。診察が終わったあとの支払いの時も長蛇の列でした。
今回は尿と血液の細かい検査がありましたが、どれも良好な値なので、なんとなく気分が良いものです。正月は食べたり飲んだりはかなり節制したし、節制しないのは仕事の量くらいだな、とうそぶいています。
血液を採る前に待合いできいた、お二人のご婦人の血糖値談義を聞いていて、なるほど血糖値の悩みはひとりずつこんなにも違うのか、と驚きました。10分ほど聞き耳をたてて聞いてましたがお二人ともいちども糖尿病とはいわないのは、症状とか治療とか糖尿病の実感がないからでしょう。というか、糖尿病がなんなのか、体験的によく分からないのでしょう。これらのご夫人はどうも合併症が出てるようなのですが、それでも実感が無いのでしょうか。わたくしもまあ、合併症が出てませんから、自分が糖尿病という実感がどうしても持てないのですね。
このあたりががん治療とはいちじるしく異なる点なのでしょうか。