朝、5時過ぎ眠かったのですが米国新大統領の演説をネットで聞きました。
実況は巨大な頑丈そうな車でのパレードの時間のようでしたが、BBCのニュースビデオ欄でクリックすれば約20分の就任演説が聞けました。というか見えました。
分からない英語の部分はありましたがだいたいの内容はつかめました。
見出しは、新しい責任の時代とありましたが、わたくしには「自由」の強調がやはり初のアフリカ系大統領、とおもえました。前大統領が「偉大な民主主義」の輸出に熱心でしたが、新大統領は自由こそがこのアメリカの進展をもたらし、また自分をも大統領にしたと、いってるように聞こえました。束縛からのliberationつまり解放、それに宗教や人種の多様性が今日の米国をもたらした、強調しており、多くの人の同感を得るでしょう。また、世界の「不自由な国に住む人たち」への強いメッセージとしては民主主義の輸出よりは、はるかにいいに違いありません。
しかし、米国のいまの未曾有の苦況がこのコンセプトで軽減されるとは全く思えません。新大統領の処方箋はかなり具体的であったように思えるのですが、金融万能で最近までやって来た米国経済と、新大統領のスタンスはどう交わるのか不明でした。
しかし、いずれにせよ、政治にはたしかに高貴な部分があり、新大統領の就任演説はその方向で最大限頑張って作ったものであり、まちがいなく名演説といえるものでしょう。心を躍らせた若者たちは多かったでしょう。
わたくしの知り合いの米国人、カナダ人、それにヨーロッパの科学者たちはおしなべて新大統領にたいへん好意的で高い期待感を示していました。その理由もこの演説を聞けば理解できます。
わたくしもいちおう期待する側に立ちたいとはおもいます。しかし、半信半疑というのが正直なところです。
政治にはもちろん醜い部分もあるのでしょう。両方が存在して、始めて政治の臭いがする、とわたくしには思えます。
米国大統領は両方の役割を果たすのだからたいへんなのでしょう。
日本などで、首相に高貴なものを誰も期待しないのは、そのあたりは天皇が担当するものとの暗黙な了承があるのでしょうか。
本当はそうではなく、もう長いこと、そういう習慣の国柄になってしまったのかもしれませんが。
新大統領のこれからの100日は誰もが興味をもつでしょう。