好天です。突然の温度変化でこういうときは気をつけないと、体調がへんになりがちです。
わたくしのばあい、眼がかすれてきたというか、やや痛いというか、東京で黄砂でも眼に入ったのでしょうか。
それとも日頃の仕事の疲れか。
けさ、それで目薬をふたつ買ってそれをつけながら、昼のコーヒーを飲みながらこのブログを書いています。
きょうは午前も、午後もスケジュールがいっぱいですので、昼に時間をみつけました。
ちょっとたとえ話のようなものをかきます。
わたくしがこの30年以上つきあっている分裂酵母の栄養源を飢餓させると、細胞の生活はがらりと変わります。細胞を国とでもたとえるなら、政策の大転換が起こります。
タンパクや核酸の元になる、窒素源を枯渇させると、細胞は成長、増殖の政策をあきらめます。一切成長しないで、細胞として無成長の状態で存続をするようにします。
ただ、無成長ではありますが、活発な代謝を行っていますから、経済活動自体はかなり活発とでもいえます。外界のストレスや変動に素早く対応するし、DNAなどに損傷がおきても迅速に修復します。それに長生きです。
政策の転換には、当然準備が必要で、たっぷり窒素源があるときには大きな細胞でのびのび細胞分裂を繰り返していたのに、窒素源が無くなると、成長抜きでいそいで二回分裂して、身の丈を小さくします。三分の一くらいに小さくなります。
一番肝心な政策の大転換は、タンパクや核酸の元は外から取れないので、体の中でリサイクルすること、つまり体内のタンパクなどを分解・再生するのです。
窒素源抜きで生き延びるには、このような政策に転換せざるを得ないのです。
つまり生めよ増やせよではなくて、成長抜きで体内分解とリサイクル再生を徹底的にしながら、生き延び作戦に出るわけです。これでかなりの長期間、生きていけます。半年くらいは問題ありません。自然界でもおきているとわたくしは信じています。
ただ、炭素源としては糖であるブドウ糖を必要とします。炭素源はリサイクルできません。エネルギーを作るために燃えて炭酸ガスと水になるのです。ですから、環境条件としては、糖質が豊富で窒素源がほとんど無いようなときは、成長、増殖を一切しないで持久路線に転換するわけです。
相手が細胞なので、この生き様の理屈を聞くわけにいきません。いかにして窒素源から遮断されたことを認識するのか、政策転換の仕組みはどうなのか、リサイクル路線でどうしてかくも活発な代謝を行いつつ「元気に」細胞は生きていけるのか、このあたりはよく理解できていません。いわんや窒素源が利用できるような状況になると直ちに成長路線への復帰に向けて対応するのですが、そのしくみもよく分かっていません。
そもそもこの政策の大転換の「意志決定」のいちばんかんじんかなめのところがどこにあるのか、そのあたりも分かっていません。