けさの新聞(朝日)に政府がだすとかいう、2700億円の研究費のことが出ていました。
要するに、30人の研究者を選抜して、それぞれのひとたちに90億円をつかって貰うのだそうです。つまり合計で2700億円です。
首相は、最後は自分が決める、といってるそうです。なんという、あきれた言動でしょう。
咎めるマスコミはもちろん存在しません。医者は病院経営で知ったのだが、およそへんな常識のない奴らだといった御仁ですから。
学術会議のトップは、たいへん結構だと言ってるそうです。まさか、本当とはおもえません。なにかの聞き間違いでしょう。
東レのかたは、これは経済対策なのだから、企業の研究にまわしてくれなくては困ると言ってるそうです。これもまさかです。一企業に、国民の税金を渡してしまっていいのでしょうか。いくら景気がわるいとは、いえ腐っても鯛のはずの企業がそんなさもしい、考えを持つのはおかしいでしょう。
武田薬品でも年間の開発研究費はこの金額の倍以上は使っているでしょう。日本企業総体からいえば、はした金でしょう。もちろん、基礎研究者から見ればとんてもない大金ですが。それを30人の研究者に分けてしまう、とは。前代未聞、生命科学では誰が貰うのでしょうか。興味津々、というかこれほど呆れた、政策が研究者からは「歓迎」という応対しか無いとは。
これは、一体どうしたことでしょう。どこまでおちょくられたら、研究者は立ち上がるのでしょう。
それともわたくしなどは、時代遅れのじじいの研究者で、ひとりの研究者が采配をふるって90億円など楽ちんで使える、ご時世なのでしょうか。
わたくしは、きれい事をいうのはきらいだし、こういうお金は若手にまわすべきだ等とは、決して申し上げません。しかし、こういうものは、もうすこし具体的な議論の様子が表に出てきて、議論だけでも誰もが参加出来るようにしなければいけません。
それでこそ、景気対策なのでしょう。
世の中には景気のよくなるような言動をはける人物がいるのです。研究の世界だってもちろん居ます。こんな何も聞こえてこない、やり方でいいはずがありません。
こんなわかのわからない、俺が最後は自分で決める、とかいう首相のもとでの2700億円の使い道で景気など対策の足しにもならないでしょう。
腹が立つより、気分が悪くなる話です。
しかし、この金の使い方がどのように決まって、どのような研究に使われて、どこのどんな景気対策になるのか、見届けることはしたい、と思います。