三重苦の日本の大学院生、ひとのよすぎる日本の博士、大学のカス法科大学院

沖縄のTP君はチェコの出身だし秀才なので、英語論文発表の段階までたどりつくと、ほんとに手間がかかりません。日本人大学院生とくらべると、このあたり比較不能なくらい楽です。TP君学生でないですが。

日本の大学院生の英語ヘタと言うよりは論文書きヘタはこれから述べるかれらの三重苦に入っていません。かれらの一番の苦は返済不要の奨学金がまったくないのです。こんなひどい国は世界ひろしといえどもありません。なぜ全国の大学院生が連帯して、同盟ストライキをしないのかと思うくらいです。脛をかじられて息もたえだえの親も同志として連帯するでしょう。今朝の朝刊をみたら、民主党の菅議員が、返済不要の奨学金を復活させると言っていました。これでもまだ不満ですが、早く実現することを強く望みます。二番目の院生の苦は、博士の学位をとっても、国内的に、ますます職の範囲が狭まっています。いつもこの欄でしつこく言っているよう、なんの優遇制度もなく、しかも企業サイドの逆差別が激しい。ほんとに、博士制度については、どこからどこまでおかしな国です。三番目の苦は最近の大学の忙しすぎる学内体制で、指導者の劣化がひどく進行しているに違いありません。研究というのは老いも若きも、時間がたっぷりある、というのが前提ですから、いまの独立法人化後、優れた研究者も凡庸な研究者もみな肩で息をしているのですから、院生の教育など十分に気持がまわるはずがありません。
こりゃもうだめだ、とやる気のある若い人が来なくなるのは本当に残念です。かれらが代わりに行く世界にもやはり三重苦も四重苦もあるのですから。しょせん、いまの日本の何が大切なのかわからなくなった国情が問題なのです。
ところで、こんどの選挙、麻生さんと鳩兄さんのどちらかを選ぶというのでしたよね、自民党と民主党のどちらかを選ぶというよりは。麻生さん、選挙で勝ったら100%4年は居座るでしょう。これだけ上手に一年間居座ったのですから、選挙でもしも勝てば、百年くらい首相に居続ける勢いになるでしょうね。

はなしが元にもどるのですが、こういう政治家さん達を見ていると、博士なんてホントにひとが良すぎると思うのです。その点、お医者さんは立派で、しっかりギルドを作っています。いつもこの点は感心しています。かれらの一部は博士を持っていますが、医師の資格の方が実社会的またギルド的にはるかに重要です。わたくしのような、他の博士号をもつ連中はほとんどギルドなど作る気力も能力もないのです。駄目ですね。これでは。

このあいだ法科大学院のえらいさんが、新聞の論壇で、いまや多くの法科大学院の学生は法曹試験にどうしても受からないので、在学しただけでもなんらかの資格(と特権?)を与えるべきという意見を述べていました。文系の一大ギルド集団ならこの程度のことは言うのが当然なのでしょう。感心しました。

それで思いだしたのは、法科大学院が出来た頃、われわれの建物の前がそれだったので、学生の出入りが多かったものです。京大にこんな軽佻浮薄にして雰囲気がカスみたいな若者がよくぞ集まったものと、密かに思っていました。なにかの飲み会の時に京大キャンパスの中で一番雰囲気がよくないのはどこかというのが、話題になったときに、全員が法科大学院(当時のです)と言ったときに驚いたものです。やはりみんなそう思っていたのか、というので。
それが、試験、就職が厳しくなったら様変わりです。たむろしている連中も目立たなくなり、いまやいるのかどうかも分かりません。これが正常とは思いませんがあんなに感じの悪い女子学生がこれだけ集まるのは一体どこの学部と思ったのが、何年か前ですからあの頃は異常だったのでしょう。しかし、ホントのところ、法科大学院の内情はどうなのでしょう。裁判官や検察官もヘンなひとが増えているようですね。

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