昨日の続き、トップダウンプロジェクトの問題

昨日の続きなのですが、研究テーマがなにかに狭く限定されているものに応募するというのはたいへんに厳しいものです。書くのはつらいものです。塗炭の苦しみというものです。
ここまで狭いのならなんで公募するのかわからない、というケースも多いです。
しかし、研究費をだすほうはいまやっているテーマをやめてこれをやってください、という希望があるのでしょう。しかし、5年間そのプロジェクトを器用にこなして、それで一流の成果などあげられる人たちがそんじょそこらにいるでしょうか。トップダウンを麗々しくJSTなどは誇らしげに宣伝していますが、わたくしはほんとうに苦々しく思っています。
そんなにトップダウンをしたいのなら自らの責任で特定研究者にみずからアプローチしたらいいのです。しかし、国民の税金を使っているのですから、人選に失敗したら、しっかり責任をとってもらいましょう、こういうことです。かつてトップダウンで責任を取った人などきいたことがありません。とかくの問題がありすぎです。

きのう書いた内閣府の今回の応募はそういう点、すばらしくて、実際にこれだけ多くの人が応募したというのは、干天に慈雨だからなのです。何を書いても言いわけですから、後味もいいです。
JSTなどはトップダウンと称して、研究の世界の砂漠化を進行させているとしか思えません。わたくし自身はいまJSTの高額研究費をもらっているから、通常はこういう批判をしてはいけないのですが、せざるをえないくらいに問題が多いのです。というか先の長い研究者は、こんな研究費の胴元を批判など死んでもしません。わたくしはそういう点、アホだし、年もこうだし、正直に思ったことをいってきたので、まあいいでしょう。

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