いろいろ書きたいことはあったのですが、忙しすぎて時間もとれませんでした。
いまシンガポールのホテルにいます。高所恐怖症にはつらいだろう渡り廊下のあるあの有名ホテルです。きょうはPlenary talkという使命のある講演なので一生懸命準備しました。
イタリーからの帰路をかきますと、最後の講演はとてもよくて最後までいた甲斐がありました。なるほどTMさんならこんなふうにがん化学療法のためのドラッグ開発をするのかと感心して聞いていました。とてもよく分かるのです。
これを聞き終わってすぐにバスに乗ってピサまで行って、そこでホテルにいってそそくさと斜塔を見に行きました。ピサの町は人間味があっていい感じでした。トスカーナは食べ物がほんとに美味しい、いいところです。
斜塔のあたりさすがに観光客が大勢いましたが、これも隣の立派な教会もセットで十分に見ごたえがありました。もう夕方だったので、斜塔のてっぺんまでちょっとした待ち時間でいけました。
これは文句なしに高所恐怖のかたには無理で、これだけ傾いていますので、かなりふらふらします。面白い経験でした。わたくしもイタリアにはなんべんも来ていますが、ピサに来る機会はありませんでした。なんというのでしょうか、ナポリを見ずして死ぬな、ほどではありませんが、奇観ですし、観光客もみなさんはしゃいでいます。
夜はたまたまピサで泊まることになっていた構造研出身のOH君やGG君と一緒に妻もまじえて、四人でなごやかに歓談しました。よもやま話というか、あまり学問的な話がないのがどうも構造研出身者のときの会話の特徴です。
翌朝早朝におきて、ピサ発のパリ便に乗って、ドゴール空港の2Gから2Eに乗り換えて、昼前の関空への便に乗りました。
それで昨日の朝8時半頃について、11時のシンガポール行きの便に乗りました。
こういうのはさすがのわたくしも初めてですが、なんとかうまくつながりました。
シンガポール空港にC君夫妻がおられたのにびっくり、まったく期待していませんでしたので。
ホテルまでのあいだいろいろおしゃべりしました。C君はシンガポールで新ラボ開設したばかりです。
ホテルでは、こんどのシンポジウムの前夜ディナーに参加させてもらいました。
I先生やTさんなどとても懐かしい顔ぶれがおられたのでついつい英語がだんだん日本語だけになってしましまいました。
やはりというか幸い時差ボケになっていますので、寝てもすぐ早朝に起きて、やっとこ準備も完了しました。というか、切りがないのでそのあたりで完了としたのです。まだもう一つ準備しなければなりません。
民主党の記事がやはり面白いのですが、幻滅するまえに出来るだけ期待しておきたい、という面はもちろんあるでしょう。しかし、今回は自民党もちょっかいかけてもなかなかぐらぐらしないだけの人数の民主党議員がいるし、
これから時間がかなりあるので、鳩山、小沢、菅、岡田という4枚看板の政治家のやりっぷりを国民はじっくり経験出来ることになるのでしょうか。
陳腐ですが、理系二人、文系二人のこの看板政治家のこれからの4年間というか、行き着くところが興味深い。
小沢一郎氏の戦後政治のなかでの位置というか立ち位置は今回の選挙結果で枢要なものになったことはまちがいないのでしょう。理系の鳩山氏にはぜひとも小沢氏に位負けせずに頑張って欲しい、理系でなくては打ち出せないものがあるような気もするので、正直かなり期待しています。やはり理系身びいきになりますか。失敗して欲しくないというところでしょうか。
麻生首相が最後に決めた例の2700億円の先端研究費、わたくしは最初の段階で落ちているので、文句は言えませんが、ただ富める研究者がますます富めるようになる、という最近の自民党的な体質のでた結果とおもった研究者達は非常に多いようです。
特に30人のうち10人以上が東大教授と言うことなので、富める大学がますます富むという面もあって、そのあたりは何十万人という研究者の多数からみていかなる意義があると思われるのでしょうか。
一つの政策の結果なのですが、お金のない大半の研究者の怨嗟もあって、科学技術政策が政治問題化する可能性をもってしまった結果だとわたくしは思いました。
小泉改革以来の富むもの能力あるものますます上にいけるというタイプの政治の、総決算的な科学技術予算配分ということになるのでしょうか。