堀江敏幸 いつか王子駅で、定期健康診断

長男は育休なるものをいま取っているのですが、なかなか半端でない長期間なので、勤務する社でも非常に珍しいにちがいありません。
育休とはいえ、おしめ替え、おさんどんと、忙しいに決まっていますが、退屈を感じることもあろうとおもって、数冊本棚から持っていきました。
昭和20年代のベストセラー本なんかも混ぜてです。
お返しのように、一冊本を借りてきました。堀江敏幸。読んだことありませんが、評価は高いらしくて、芥川賞以降も賞のそうなめです。ぜんぜん知りませんでした。
いつか王子駅で、というタイトルの薄い文庫なので読めるかとおもい、今朝から通勤途上で読みだしました。
なるほど面白い。ただ息子がある頃まで入れあげていた競馬の部分も多くて、なるほど、競馬の面白さはこんなふうにも書けるのか、と思いました。わたくしの知っている競馬を書く小説家は山口瞳でこのひとはえらく散文的でかれのを読んで競馬をやってみたいと思ったことありません。この堀江氏のは詩的というか情緒的でこんなふうに楽しむこともできるのか、と初めて学びました。わたくしは競馬は競馬場にすらいったことありませんので面白いのでしょうが、その味を憶えるとお金がない人間がますます無くなるので本能的に避けていた、こんなところです。
ペダンティックなところが嫌味にならないというか情緒的なところがあまり気にならない、いまの若い人はこう言うのを読んでるんだ、とひとつ学習しました。堀江氏はわたくしが大学を卒業した頃に生まれたようです。

今朝は定期健康診断にいきました。11時15分が終わりなので、11時5分くらいに会場の工学部8号館3階に着いて、終わったのはちょうど12時頃でした。耳はまだかすかな音も聞こえる見たいです。去年あった視力測定がありませんでした。身長も縮んでいません。血液ずいぶん取られました。ずいぶん感じのいい若い女性でつい名札をみたら、京大でなく、例の京都がん協会の職員でした。
腹囲測定は去年から始まったのですが、去年と同じでした。メタボからははるかに遠いというか少ない値です。だれかに自慢したかったのですが、知ってる人もいないので、自慢できません。
血液で時間が取られたので、胸部X線はすぐ終わりました。汚い車です。競輪のお金での車です。ここでの技師さん、過酷な労働環境だな、と思いました。ほんとにつらくて大変でしょう。わたくしなどほんの数秒いるだけでもイヤなのに。

帰り、構内の道を歩きながら、まだ京大の人間なんだと実感しました。そういえば職種が空欄だったので係りのひとに聞かれました。なんですか。エー、研究員かなと返事しました。

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