人事とはレッテル貼りなのかな、当事者の周辺の真空地帯

人事は難しい。
郵便の新トップの人事は元大蔵の偉い人なので、脱官僚ではない、ということで新聞はそうじて批判的なようです。亀井大臣も元官僚なのですが、そうは言われないのはやはり選挙でなんども通ってるからでしょうか。そのうえ、この斉藤氏は小沢氏ともかつて大変親密なので、2つのレッテルつまり元官僚、小沢人脈が貼られてしまっています。首相は14年前に官僚は卒業しているので、いいのじゃないか、といっていますがマスコミがこのレッテルについてかなりうるさくなっています。
 わたくしのような世代の人間には大蔵省で10年に一人の逸材などと聞くと、よっぽど頭がいいというか、強靱というか、膨大な情報に頭が速く良く動く人なのだろう、とひとりふたり大蔵省に入った東大法学部出身者を思い起こして想像します。つまり、大蔵省的に出来のいいひと、そういうのが沢山集まってその中で特別出来る人、こんな感じなので、表舞台でやってもらったら面白い、と思いました。
戦後の政治家のなかで一番の切れ者といわれたのは後藤田氏ですが、彼は警察系の官僚だったのですが、晩年まで影響力がありました。この斉藤氏はプロ好みの人らしいですが、特別に頭脳明敏な人をなにかのトップに置くのは国家としてそう悪くないでしょう。
それじゃ無理矢理辞めさせられた西川氏にはどういうレッテルが貼られるのでしょう。民間人ということですか。でもこの人はトップとしてあまり発信しなかったと思います。なんか住友色の非常に濃い人事を郵貯ないでやったので、それもかなり評判が芳しくなかったと聞きます。じっさいのところ民間人、つまり企業人が顔が広いかですが、案外そうでもないようです。誰もそんなレッテルを広言しませんが、民間人では弱いし、住友バンカーはもっと弱いし、やはり偉大なバンカーならもっと積極的に発信したら良かったのにと思います。日産のゴーン社長とか。

わが身をふり返っても、人事はことのほか難しいものです。
わたくしも京大に1971年からずっといるのですが、いまだに東大出というレッテルを貼られているのを感じます。わたくしのように長く京大にいるのはもうほとんどいないはずなのですがそれでもレッテルはどうも違うみたいですね。不思議なものです。小童みたいな京大での教員にそんなこと言われるとほんと腹立ちますが。人種差別とちょっと似ています。このレッテル貼りは。
理学部の生物にいたM先生には、あんたはあずまえびすやから、とよく言われました。これはまあ、しかたない。いま名古屋にいるGG君の学生時代に、先生は名誉関西人とか言われました。お世辞がうまい。名誉教授のレッテルは嫌いですが、名誉関西人ならありがたく受けます。
わたくしが今やっているジャーナルの編集長も辞職したくてたまらないのですが、後任の選任に難航しているようです。辞める人間なので口は出せません。西川氏と同じ立場です。学会の会長さんが次期編集長を決めるのです。わたくしは辞職をいまや懇願しつつあるのです。理由はもう広い新分野をカバーするエネルギーが足りないのです。50代か思い切って40代の若い人にシフトして欲しいのです。でもこれがなかなか難しいらしいのです。わたくしもずっと我慢して沈黙していたのですが、もう本気に辞めたいのです。一日でも早く辞めたい、こういう気持です。
不思議なことに続けてくれとひとりもいってきてません、辞めろとも言ってきません。元気もでないし、反撥もありません。真空みたいに静かなのですね。人事の当事者、生殺しにあったであろう西川氏にかなり気持的には同情的なのを感じます。
いまの日本てほんとに不可解な国になってきていますね。たぶん斉藤氏の周辺も奇妙な真空が出来ていると思います。西川氏も同様だと思います。わたくしも規模は恐ろしく小さいのですが、似たような感じです。
人事は難しい、いまの日本ではというのが正しいのでしょうか。

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