この時期、農閑期がもうすぐです。夏の盛りの植物に圧倒されそうな気持が、いくぶん人間優位になってあっちこっち片づけたりきれいにしたり、それでもまだまだそこそこの収穫がある、余裕のある時期です。あしたから東京での国際会議で最初の日の夜にしゃべるので準備をしていますが、息抜きにちょっと週末農業のことを書いてみます。
最近、農に対する関心が非常に高まっています。団塊の世代がかなりおおぜい興味があるのではないでしょうか。耕耘機なんかもずいぶん売れているようです。
わたくしが週末農業をせっせとやりだした10年くらい前とは大違いです。
庭で小さくちょこちょことやるのは30代後半でも試みたのですが、庭が狭すぎるのと、お小遣いが足りなくて、楽しくは出来ませんでした。つまり週末農業あんがいお金がかかるのです。肥料もただではないし農機具も一通りいるし支柱とかなにかやろうとすれば苗を買ってやることが最初は多いし、なんだかんだ投資が必要で懐がピーピーしていた30代や40代始めの頃はやりにくいのです。
時が経って、いよいよずっと広い土地をもって農業を始めると、こんどはお金があってもどうにもならない壁が案外あるものです。それは農民には許されても、われわれには駄目というのが沢山あるのです。水利権なんていうのも驚くほどの排他的なものです。目の前の水をつかえず水道水を使わざるを得ない、なんていう話はどこにもあるでしょう。テレビ番組ではいつも美談風にお話しを作っていますが。実際の農家のひとたちは大半は非常に親切でいろいろ教えてくれますし、気さくに話せても、規則は随分不親切なものです。そもそも農地を我々が買ったり出来ないのですね。
ですから、美味しそうな記事や番組ばかりが出まわっていますが、そのあたりを十分しらないと途方にくれることもあるでしょう。収入を得ようと思うのなら、気軽に出来るものではないのです。
ですからわたくしがやるような週末だけに時間を限定して、作物が出来たら良かった、出来なかったらやれ残念、猿飛に食べられてもちょっと淋しい気持を持つくらいの気分でやらないと、落ち込んでしまうものです。そもそも最初はわたくしは健康管理のため、ということで始めたのでした。今でもそういう風におもっています。でも人間向上心がありますから、すこしずついい成果をあげたい、こう思います。来年もうすこし頑張ろう、この来年がいいのです。いろいろ試みるのですが、みんな成果は一年に一回というのもなんとも言えない、良さがあるのですね。
お金なんか手元や銀行においても何の利用価値もないのが土地はこんな風に遊べますから、土地の価値は高いとよく私は思います。