けさ朝日新聞にでていた東浩紀氏の中国社会についての意見は面白いと思いました。わたくしなども漠然と感じていたことがはっきりした言葉で記されていました。つまり中国には多様な人物とそれを作りうる多様な社会があるということで、それが欧米や日本のようないわゆる民主国家でないのに、可能となっていることを指摘しているわけです。中国人から見れば当たり前のことなのですが、色眼鏡で中国をみるとなかなかそのことが見えてこない。わたくしも今回は一緒だった欧米人と反対党のない中国では実に効率よく物事が決められていて、一方でかなりおどろくほど多様な社会生活や活動が多様な人物によって為されている、これはどういうことなのだとか、議論していました。やはり反対党がなければ過ちがあったときに非常に深刻となる。また反対者を認めない社会体制なので今回のノーベル平和賞のようなことが起きてくると非常に具合が悪い、というか格好がつかない。でもこのダイナミックな中国の様子はなかなかのものである。否定的にばかりみるのは誤りだろう。米国のオバマ政権をみれば多くの米国人が無力感にとらわれつつあるのとは好対照であう。未来を予見するのは不可能ですが、でもいまの中国人と中国の政治体制を見たときに、政治や権力の腐敗は相当あるに違いないが、しかしこのような進歩の道はあるのだろうと言わざるを得ないのだと思います。まあ中国人が決めることですが。それじゃ日本はどうするか。自由に見えて意外に不自由な国柄になってきたので、また弱さと鈍感さが地球内の諸国のなかでもかなり目立って来たので、なにか目がさめるような社会革新が必要に思います。しかし、無理なのでしょうね。どうも最後は悲観論でなさけないのですが。でもインドや中国の後、そんな気持ちになるのは避けられません。