菅首相の快挙、基礎科学の重視、いかに節約するか

けさの政府予算のニュースを見ると次年度予算の科学研究費、通称科研費の大幅増額(30%)があったとのことでした。菅首相の決断とのことでした。基礎研究者としてまことに喜ばしいニュースと言えます。菅首相のなした快挙と形容すべきか英断と表現すべきか、迷いますが、首相が基礎研究重視をしめしたことを心から嬉しくおもいます。ただ、首相は「わがままを言わせてもらった」とこの決断を表現しています。わがままという表現は、その判断について周囲は賛成者がすくない「首相の孤独の決断」だったのだろうと推測しました。ただ、首相はこの判断を基礎研究者に向けてもっと積極的にアピールしたら良かったのにとおもいました。首相は意外にシャイな面もあるのかもしれません。総額としての科学技術費は減少とのことですから、言いにくいのかもしれませんが、ひとこと基礎科学の重要性を力説し、基礎科学者は頑張って欲しい、といって頂けたらよかったとおもいます。遠慮はいりません、国民、国家のために頑張れといっても首相という公職の人が言うのですから、当然と受けとめられるでしょう。あとは増額された研究費がどのように使われるかです。この部分には相当な課題があります。節約や効率化も含めて、もっと積極的に改善に取り組むべきは研究者や彼等を支える人々の役割でしょう。
例えば節約の一方法ですが、海外からの試薬や機器の購入は直接購入をすればほとんど半額がそれ以下になるのですが、事務の厳格化とか硬直性のために多くの血税が研究の現場にたどり着く前に消えてしまっているのです。お金節約よりは従来からのルール重視という悪しき体質が問題です。根本的には研究を支える人的しくみがグローバル化されてないのです。

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