スロバキア首都のブラスチラバの印象

きょうは帰国日、日本の時間にだいたいあわせて行動します。
きのうスロバキア首都のブラスチラバに行ってきました。こんかいウイーンに講演してくれ、と言ってきたGさんはスロバキアのひとでして、ラボの若い人たちも同国の人たちが多い。こういうかたちで東欧の科学が勃興してきているのです。ウイーンから車で1時間くらいです。途中国境近くはまったく何も無く風力発電がたくさん並んでいるくらいです。つまり長年の東欧共産圏のあいだの厳しい国境管理がもたらしたものでした。しかし、いまはユーロの国で貨幣もユーロ、ソ連支配下の傷跡は沢山残るもののそれらは指摘されて分かるもので、町は静かで落ち着いたヨーロッパの町です。ウイーンに似ていると言うよりはわたくにはスイスの静かな町を思いだしました。人口40万は公称で実際の町は数万人でしょう。お城とか、大きな教会とかオペラ座とか町の中心部を歩くと代表的なものがみなこじんまりと揃って、ウイーンからのアネックスのような感がありました。実際にはハンガリーの人も沢山住んでるとかで、スロバキア、ハンガリー、オーストリア(ドイツ語)の三カ国に関わって歴史を過ごしてきた町なのでしょう。東ヨーロッパを理解するには非常にいい町なのだろうと感じました。
わたくしのセミナー聴衆はよくて10人くらいと思っていったのですが、なんと溢れるほどのひとびとで100人ちかく熱気に溢れていました。なるほど、ウイーンは沢山の研究者が来るのに、わずか1時間のスロバキアまで来る生命科学者はあまりいないようでした。しかし、この人々は、熱意いっぱいではないか、とおもってふと日本が戦後歩んできた道を思いだしました。建物はかつての日本の地方国立大学や帝大系でも戦後の貧しい時期に建てたものとそっくり、建物の中の雰囲気もその頃とそっくりでした。胸にじんとくるものがあって、なにかわたくしに出来ることなら是非してあげたい、と強く思いました。いまラボにいるチェコからきたTP君のエピソードを話したら結構うけました。

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