那覇便の機内で

きょうは早朝におきて沖縄にむかっています。年度末までにすましておきたいことが2,3あります。
お祝いの会、研究室関係でこれまで三つありました。どれもとても楽しくて元気がでました。あともうひとつ新年の親族の会できりがつきます。

機内で書き出して、那覇に着くまでに、難しい政治問題をできるだけ軽く外側だけ触れたいとおもいます。
野田内閣の支持率がどんどん下がっているとのことです。
例の原発収束宣言。これはまずかった。いったいどこに収束ということばがぴったり当てはまるようなことが原発でおきたのでしょうか。誰かがこれを言って内閣の人気浮揚に使おうと言いだしたのでしょうか。でも国民感情に沿ってないことは歴然でした。若手の期待の星のはずの細野大臣が収束宣言の先導役を果たしていました。さすがに、くらい顔でしたね。野田首相は意気高らかに[収束]宣言をしたのでしょうか。
結果はうなずく人があまりいないということになりました。かなりしらけた収束宣言でした。理屈をこねて収束だというのですが意味があるようにはおもえません。福島原発の現状が収束という言葉とはかけ離れていることは誰もが思っているのです。新たな避難がもうないとしてもそれが[収束]という言葉と関係があるとは誰も思わないでしょう。

例の増税のために不退転の決意。かなりの噴飯ものの不退転決意と聞きました。庶民をいじめる方向での不退転決意と聞こえた人のほうが多いのでしょう。これも内閣支持急落の一因でしょう。不退転とはもっと別な方向で使うはずではないでしょうか。年末までに首相はもういちど不退転の消費税増税のスキムを発表するとのことです。それでまた内閣支持は一段と下がるでしょう。増税の前にやることがあるはずなのに、何もしてないし、その増税前のやるべきことを不退転の決意でやるといえば、それは期待の気持ちで見られるでしょうに。なんだか不退転の決意で離婚すると関係の無い人に息巻いている政府という感じです。どんなに政府の借金があるといわれても返事はおなじでしょう。

選挙に負けても誰も責任をとらない無責任内閣の連続がまだまだ続いているという庶民の実感が野田内閣をむしばんで、支持の下落を加速していることは間違いありません。鳩山、菅、野田民主党の内閣の系譜に共通していることは責任感を感ずるという発言が希薄なことです。特に不可解なのは枝野氏の重用です。この人がどれだけ能力があるのか知りませんが、民主党内閣の無責任を象徴しています。福島原発時のだいじょうぶ大丈夫発言をとりあげても数年は閉門蟄居があるべきでしょうに。枝野氏が責任をとって辞めたら野田内閣は数パーセントの支持率上昇はいまでもまだ起きるかもしれません。

内閣支持率下落のもう一つの要因は大阪の橋下市長と松井知事の誕生があるにちがいありません。橋下氏は、彼の言によると馬鹿文春と馬鹿新潮の極悪人キャンペーンにもかかわらず、選挙で圧勝しました。この勝利はアンチ同和、アンチやくざの国民感情をもりあげようと画策したひとびとを震撼させました。大阪人の健全な市民感覚(わたくしこういうときに市民というのを使うのが好きです)の存在も証明しました。
橋下氏は中央政界がなぜ不振であるかなぜまったく中央政治がうまく行かないかを短い言葉でかつ鮮明に説明しようとしています。野田内閣の迷走ぶりをみていると、橋下氏の意見は正しい、という国民感情は高まっているようです。
橋下氏はひと言でいえば日本の首相は400人だかの国会議員の顔をうかがっているにすぎない、首相は公選制にしてして4年間の任期を与えなくてはなにもうまく行かないという単純明快なものです。専門家は、百のしかし、をもってそんな簡単なものではないと言うでしょうが、しかし橋下氏はいまや松井知事と連携して改革にまっしぐらです。国政の渋滞と迷走と大阪での改革これがいまの日本の国民感情を高めかつゆさぶっているのでしょう。

もうひとつこれらの出来事の背景で低い音ではありますが、国民感情に働きかけているのは、検察の不明瞭な恣意的捜査、もしかしたら国家反逆に相当する大罪を犯しているのではないかという可能性がじわじわ高まっていることです。心ある法曹のひとびとはこの司法の危機においていわゆる陸山会事件はなるべく早く幕を閉めた方がいいと思いだしているはずです。でももう遅すぎたのでしょう。鈴木宗男氏の生き生きとした政治言動、佐藤優氏の深い洞察をもった発言を聞けば、この20年ほど検察特捜は何をしたのか、だれを逮捕してどのような国家的な利益を生みだそうとしたのか。検察の不明瞭な存在が浮き彫りになってきています。一部にある、検察は米国の走狗という言論がなんらかの信憑性を持ち出しています。特に証拠捏造をした前田元検事の発言をきけば、最高検察庁の米国帰りの検事達が、小沢一郎氏を逮捕できなければ検察は後がないとなどということで最大野党の党首だった小沢氏の秘書三人を手始めに逮捕したと聞けば、どこの国の話しだと誰もがいぶかるでしょう。
来年は国の政治がますます迷走するに違いありません。日本の国政政治は行き着くところまでいかないと、地獄状態に近づかないと、何も起きないし、駄目だろうなと最近とみに思います。

首相公選、国民投票の多用、たぶんこの二つが日本の混迷政治を救う方策に違いないのですが、現体制でもおいしく楽しくやっている人たちの反対の声に勝てるかどうか。

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