トレハロースの話し

最近肌の保湿というか抗乾燥ということでベタインというものを話題にしました。アミノ酸の誘導体ですね。それできょうはやはり保水性が非常に高いといわれるトレハロースというものを話題にしましょう。トレハロースは糖で、ブドウ糖つまりグルコースが二つつながったものです。蔗糖もつまり砂糖も二つ糖がつながっていますが、トレハロースはかわった結合をしています。細胞がトラブルというか困った状態、逆境にになるとかならずこのトレハロースが沢山作られるので、効能としては何にでも効くといっていいのかもしれません。カビから植物から動物でも昆虫くらいまではトレハロースを自前で作れるのですが、ほ乳類は作れないことになっています。ただトレハロースを分解してブドウ糖にすることはできます。昆虫の血液では血糖として働くそうで分解して栄養源にも変えています。
デンプンからトレハロースをつくるという画期的な製法を生みだした林原のサイトにいくと、いろいろ説明がかいてあります。いま1㎏で300円レベルというのですから、たいへん安い。
トレハロースは乾燥に抵抗する生物体の性質の基を作っています。椎茸とかはトレハロースが多いほどより元に戻りやすいといわれます。
製品としては多様な食品添加物となっているようです。食べ物のみずみずしさをたもつとか食べ物の調理の過程ででるいやな臭いがでないとか。
人間は小腸にトレハロースを分解する酵素があるのですが、比較的ゆっくりなので血糖値があまり上昇しないといわれます。トレハロース自体はあまいことはあまいのです。

わたくしが関心をもったのは、このトレハロースが分裂酵母が逆境になると凄いいきおいで増量するからです。逆境というあいまいな表現をするのも、高温とか、乾燥とか飢餓とか細胞が困るだろうなという条件では必ず非常に増えます。老化の抵抗物質のようにも見えます。合成系はわかってるようですが、案外そうでもないともおもえます。
ヒトの細胞では分裂酵母のばあいのトレハロースに相当するようなものがそもそもあるのか、まだ見つかってないのか分かりません。
トレハロースはこれからいろいろ広く利用されると思いますが、まず生き物の中での働きをしっかり理解することがなによりも大切でしょう。文献をしらべていくと、大切な研究がまだなされてないのに気づきます。

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