ダルビッシュさんのファンへのことば、新書「細胞から生命が見える」の復刊

ダルビッシュのファンへの発言、なぜ米国のメジャーに行くのかの説明、感心しました。微温的ないまの日本のプロ野球にだんだん嫌気がさしてきたとのこと。自分が骨身を削って闘おうという相手が、闘う前から「お手柔らかに」とか「本気出さないで」、などといってくるのが、たとえ軽い挨拶のつもりとはいえ、やっていられないとのこと。このままでは自分が駄目になる、と思ったとのこと。その彼の気持ちを理解していた関係者は非常に少なかったのでしょうか。
かれがファンを大切にしているのは自分の本当の気持ちをわかってもらえると思っているのでしょう。だから、日本を去るときに真情を伝える相手に選んだのでしょう。札幌の球場に1万人もいたとのことです。
頂点を目指す若者の本音を聞いた気持ちでした。
願わくば、米国での野球の場が彼にとって、真にやりがいのある場であって欲しいとおもいます。
多くの日本人が、ダルビッシュのファンへの発言をひとつずつ聞いて、この青年を野球以外のことで始めて理解したのではないでしょうか。わたくしもそのひとりでした。
本当は日本がすき、日本でやりたい、でも日本が世界一の野球国でないのなら、米国に行かねばならないのか、そういう状況に自分は追い込まれているのだとの認識、なんとすばらしい自己認識と思いました。
ダルビッシュ青年の顔とか表情とか、挙動とかもののいい方とか、なんだかいろんな事がいっぺんに理解できました。
この取っつきにくくシャイで心優しいでも投手として世界一を目指す青年の未来に栄光あれ、とこころから思いました。
わたくしも遅まきながらダルビッシュ青年のファンになって、米国でのかれの活躍を応援したいと思いました。

岩波書店から新書が一冊送られてきました。かつてわたくしが書いた[細胞から生命が見える]のアンコール版なのだそうです。つまり絶版になっていたのを、もういちど刷ったということでしょう。
どういうつもりで書いたのかもう忘れてしまいましたが、でも生命科学の内容を[縦書き]で説明することにチャレンジしようとしたのでしょうか。
ちらちら読んでみると、あんがい良くかけているじゃない、というのとやはりあの頃の自分だから妥協していないな、いまならもっと妥協して書くけどな、という感想でした。
この場合の妥協とはもちろん読者のことですが。

大学入試とか会社の昇格試験とかそういう試験に使ってもいいかという許可を求める書類はありましたが、もうだいぶ絶版状態でした。だからこの本の存在を忘れていました。わたくしの著書で絶版じゃないのは、もうなにかあるのかなあ、たぶん「生命科学者になるための10か条」くらいじゃないかな。
古びてもないみたいなので、このさいわたくしもある程度購入して、この妥協知らずの時代の縦書き本をちょこっと読んでもらいたい人達に献本しますか、と思いました。でも、ネットというかデジタル版でごく安く読んでもらえたらいまでも需要はあるとおもうんだけれども。

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