勝利のバレンタイン監督いい顔してましたね。その瞬間まで笑顔一つ見せない,真剣なまなざしと、その前に甲子園にいきましょう、とファンに呼びかけた時の意志のみなぎった表情が印象的でした。まさに闘将でした。闘将という忘れた言葉を思い出しました。
こんなこと言っても、じゃんけんの後出しみたいなもので,だれも認めないでしょうが,バレンタイン監督が再びロッテの監督になったすぐ後でしたから昨年だと思うのですが,米国で日本の大学はどうしてこうも変わりにくいのか、ということが話題になった時に、日本の大学もバレンタイン監督みたいな役割をしてくれる指導的教授をたくさん受け入れたら良くなるのに,と言ったものです。
誰かがなぜ、と聞いた時に、非常に前向きで,いつもポジティブに指揮するようだから(ますます、じゃんけん後だし的言動で我ながら嫌気がさすのですが)、などと言ったことを思い出します。相手が誰だったのか具体的に思い出せないのですが,微妙なくすぐったいような顔をしていました。わたくしも米国人を褒めるとしたら,一番にでてくるのはこのポジティブ思想のあたりです。バレンタイン監督の成功は詳細に、吟味分析する価値があるに間違いありません。
実はその会話の前の段階で,イチローや松井の活躍を話題にして、日本の選手は外国一流助っ人選手を長年にわたって少年時代から見てきていて,米国大リーグ選手のセンスみたいなものは、かなり分かって身につけていたはずなのだと説明したものです。わたくしのようにプロ野球に興味を失った人間でも、スペンサーとかバースとかの活躍をきのうのように思い出すのですから、プロ選手になろうとしている少年にとって、目の前で本場の一流選手を見ることくらい良い教育はないのでしょう。
ここから先は提言みたいなものですが、米国や欧州の一流研究者に2番目の研究室を提供する日本の大学が増えると良いと思います。丸ごとラボを持って移動してきてくれる研究者は非常にすくないでしょうが,セカンドラボとして場所と職を提供したらそういう人はかなり出てくるのではないでしょうか。
研究費のほうも支度金を準備したらその後は日本の研究者と競合しても資金を十分とってくれると思われます。セカンドラボの運営は十分にできるはずです。
外国の一流研究者が運営するラボがあればずいぶん雰囲気はかわるでしょう。このあいだシンガポールで会ったDL博士も二つラボを運営してました。米国ではベンチャーと大学の二つ掛け持ちはざらに居るはずです。日本への距離などは慣れればたいした問題ではないはずです。
ボビーバレンタインのようなすばらしい指導者は滅多に居ないでしょうが,でも並の日本人教授よりはるかにパワフルにしてダイナミックな研究を推進する研究者なら海外にはたくさんいます。いわゆる地方大学などとワンランク下にいわれがちな大学の経営者にとっては最大の内への刺激と外への宣伝効果となるのではないでしょうか。