挫折後の若年者の犯罪

米国のコロラド大学院生の大量殺人事件はたいへん気になります。
動機もわからないし、また精神状態もわかりません。法廷に本人が出てきてその写真がでていますが、赤い毛に染めていると報道されていますが、放心状態のように見える以外とくにこのような凶悪な事件を引き起こした人物にみえません。
この事件の後にこの院生の部屋に入ろうとした警察は,部屋の中に爆弾がしかけられていて、極めて危険な状態であったと行っております。
被害者の家族は死刑を望むといっているようですが、コロラド州では滅多に死刑は判決もされないし、執行もされないとのことです。動機の解明は長くかかるだろうとの新聞記事です。

わたくしの乏しい体験ですが、このように学部で神経科学で優秀な成績をおさめた学生が、院生時代に犯罪に向かうのはカルトとかの団体に入ってそそのかされたのでなければ、精神的な崩壊が起きているケースが多いようです。
そのような人間性の崩壊はたいていかなり深刻な挫折体験を引き金としていると思われます。かなりの長期の精神状態の異常性をたもちつつ周囲の人間が気がつかないうちにある種の「別人格」になってしまうのではないでしょうか。精神医学の知識がない人間がこのあたりのことこれ以上論じるのは無理ですが、でも学部時代はまともでおとなしい良くできる青年だったのであり社会的にも問題行動は無かったわけです。家庭も非の打ち所がないと読みました。

おとなしくかつ非力な人間でも,米国ではライフル、小銃と弾丸6千発を購入して手にいれれば、映画館の聴衆に向かって発射することが可能です。銃社会の怖さです。
日本では、そういうことはできませんから、反社会的行動をとろうとすれば、放火とかネットを利用して脅迫状や爆破予告などをしたりするのかもしれません。

大学で勉強漬けにあったような若者が、なぜそんな反社会的行動もしくははるかにエスカレートして殺人行為に走るのか、大きな謎です。でもこれが最初で最後とは思えません。ノルウエーでも大量殺人がありました。これはカルト性が高い思想にはまった可能性が非常に高いと思われました。でも最終的な無差別殺人行為の部分は似ています。
米国や欧州で起きたことは、日本でもいつか起きうると考えたほうがいいです。
百万分の1よりもっと少ない可能性、一千万とか一億に一人の頻度でとんでもない悪意をもったしかも高い知性をもった人物が大量殺人に向かう可能性があることです。
よその国の出来事だと片づけてはいけないとおもいます。

先端技術の粋の維持をするうえで、怖いのはそのような悪意にもとづく破壊行為をする個人の出現です。原発にしても破壊工作の対象になったらどのようなことが可能なのか、心配のタネはたくさんあるかもしれません。

時代的にいえば、幼児の頃から、電子的なゲームで絶え間なく悪意に基づく破壊的な画像をみていることにより、想像もできないような、犯罪行為を夢見る若者が、深刻な挫折体験の後に、突然変異程度の頻度で出現する恐れがあるのではないでしょうか。
それともこのような解釈はまったく誤っていて、なにかまったく別のトレンドが迫ってきているのでしょうか。

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