中村祐輔さん去った後のヒトゲノム研究

わたくしも一時はゲノムの研究をしていました。でも分裂酵母のゲノムですからたかはしれています。でもある時期はフロンティア的な研究状況もありそれなりにおもしろかったのでした。チャーリーカンターとゲノムを物理的に理解しようとして共同研究したり、コールドスプリングハーバーにいたビーチとか水上さんとか一緒に分裂酵母のゲノム構造を明らかにすべくやった時期はそれなりに面白く先端的でした。そのころは中村祐輔さんとはしばしば学会などであっていました。かれは医学出身で医療経験があるのでヒトゲノムを見る目はわたくしなどとはまったく異なりますが、それでも時代の潮流を共にした時期がありました。
だから、かれが東大の大きなヒトゲノムセンターの責任者となり大プロジェクトを率いるのも当然と見ていました。しかし、きのう述べたように彼が日本を去るという経過をマスコミ的にしか分かりませんが、たいへん残念と思っています。ただわたくしはいまやこの分野の門外漢ですから、わたくしの意見など取るに足りません。
それで日本のゲノム研究はどうなるのでしょう。役所は惰性的に研究費をだすでしょう。それを批判する研究者も皆無でしょう。それでどうなるのでしょう。結果は10年か20年後にのみわかるのでしょう。ただ言えることは、わたくしが話をぜひ聞いてみたいとおもう研究者は、ゲノム創薬やヒトゲノム研究で日本にはいないです。
いつのまにやら、日本の生命科学の現状はかなり肉がそげ痩身になってしまったような気がするのですが、その感覚はどの程度真実なのでしょう。誤っていると願いたいです。

タイトルとURLをコピーしました