国政選挙というと思いだすのは、もう50年近く前の1960年安保後の総選挙です。池田勇人内閣が成立したときの選挙でした。最悪の保守反動の政治家というレッテルを貼ったマスコミや左翼系の意見もつよく大学生のあいだでも、不安の的でした。とくに安保の巨大エネルギーが消えた後で、日本の将来に大きな不安を持つ国民が多かったはずでした。
池田氏は貧乏人は麦を食えというセリフで悪名が轟いていました。しかし、実際の発言は割合穏和なもので、所得が少ないのだからしかたないので貧乏な人は麦の割合を多く食べていただかざるをえない、言うものでした。また「中小企業の一部倒産もやむを得ない」とかいってこれも大問題になったものでした。でも大企業の倒産は影響が大きいが、中小なら一部倒産はやむをえない、ごく正直な発言に違いありません。
しかし、池田内閣は所得倍増をスローガンにして,実際に目標を達成したのです。、
政治運営はは寛容と忍耐をモットーにして、かなり融和的な政治を行ったように記憶しています。
特に東京オリンピックもあり高度成長経済は日本の60年代前半に奇跡の発展をもたらしたとよく言われました。日本人が心地よく思い出せる期間となりました。
ガラガラ声で、後に咽頭癌になられ政権を中途で辞めざるをえませんでした。
大蔵省の官僚出身とはいえ、京大卒で野党的な人柄もあり、さらに若いときの大きな病気の経験もあり、決してエリートという印象はなく、日本的な意味でのよきボス、奥行きのある人物であったことは間違いありません。
今回の選挙、結果どうなるのかは分かりませんが、やはり経済を第一と考える国民の強い願望があり、そして政治のほうも対立助長より寛容と忍耐はまちがいなく良い政策となるでしょう。
元気のでる日本になれる下地をつくれる内閣があらわれて欲しいものです。
池田勇人氏のことを書いてみたのも、やはり経済運営の成功がいちばん大切なのかな、と確認したくてです。