新年の気分

2013年、新しい年がはじまりました。
ここ何年か、いろいろなことを感じます。その中でいちばん強く感じるのは世の中が後ろ向きに動いているという感覚です。とくに、正義とか権利とかもっとおおらかに声をだして発言するのが社会の相当部分で当たり前だったのが、だんだん用心しないといけない雰囲気が高くなってきたような気がしています。杞憂だといいのですが。もっと深刻な生存をおびやかすようなことが多くなったのかもしれません。生存権のほうがあやしくなれば、思想的なことを言っている余裕がなくなる、つまり衣食足って礼節をしる状況にない人々が多くなっているのかもしれません。いまの日本、現状ではまだ足りていても将来の不安がすごいのかもしれません。

暗い話題からスタートしてしまいましたが、明るい話題をなるべく見つけていきたいと思っています。
わたくしは、20代とか10代に天才的な人々が出てきている感じをもっています。フィギュアスケート選手とかスキーのジャンプとか自動車レースとか、10代の男女があっさり世界最高とか一位とか達成したと聞くと、日本のあちこちに非常に力強い選手が出てきているんだなあ、と思っています。
わたくしなど、学問を初めてもう50年もやって達成感などはわずかですが、でもそのうち20代でとんでもない生命科学の発見をするような青年がでてくるのではないかなどと、夢想してしまいます。一挙にたくさんのバリアーを乗り越えてしまうという感じです。だんだんではなくて、一挙に高く飛んで遠い到達店に立ってしまう、というイメージですね。10代の選手が世界最高点をたたき出したなんて言うのを聞くと、可能じゃないかと思うのです。

いっぽうでそんなに明るくない話題、でも考えておきたいのは、日本の囲碁です。若い井山名人が大活躍です。名人には20才で到達しました。たしか五冠とか。素晴らしいのですが、韓国、中国の名人たちに2年連続で負けています。本人はたぶん非常に意識しているようなので、今後の結果を期待したいのです。
ただ、井山選手には、なにか競争というか闘いに挑むところで日の丸を背負うのをやめてもらった方がうまくいくのでは、と思っています。
囲碁は所詮個人技なので、あくまで個人技と徹底してもらった方がいいですね。
その点、研究も同じようなもので、国籍を忘れることはできなくても、でもやはり個人技で研究をしないと。
日の丸の旗を背負った研究をわたくしはしたことがないのでわかりませんが、でもそういうものを、背負わない科学研究を志向して今日まで来た以上これからもそうしていきたい。
そして願わくは日本の社会から、彗星のように躍り出てきた、20代の若者の才能と大発見に心を踊らせたい、そんな風に新年の気持をまとめて見ました。

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