まだワシントンにいます。昨日アカデミーの行事はすべて終わりました。いろいろ勉強というかこの国のアカデミーがどういうものかわかって来ました。
アカデミーの紹介で滞在したホテル高級ですが、部屋は立派でも、食べ物は美味しくない、つまり値段の価値はない。ホテルではなにも食べないというのがいいようです。朝食も最初の日はホテルで食べましたが、次からはそばにあるごくごくありふれた店で食べています。まあましです。一人分、6ドルくらいですから文句は言えません。美味しいと言わないといけない値段です。
きょうはこれから研究のディスカッションをしたいかたがホテルにおいでになるので、待っているところです。
時間が空いたので、米国の感想を書いてみます。ごくせまい経験だけですが、わたくしなりの感性アンテナで感じたことです。
米国はいまでも世界の警察の役割を果たす気持があり、その点で現在は、シリアについては深く憂慮している。大統領は武力介入も辞さない気持で、国内的にはその正当性の地ならしをしているように思えました。しかし米国の市民の人命が介入によって失われることは絶対的に避けたいのでしょう。
このあいだのボストンテロの時も逮捕のまえの犯人拘束前にロボットを使って現場にちかよっていたのが印象的でした。ですから、シリアについても、人命損失ゼロでの介入法を考えているに違いありません。大統領の死亡をめざしているのかもしれません。
このような軍隊の兵士といえども、人命を徹底的に尊重することは、米国という国の軍事面は弱まってきて、「普通の国化」してきたのではないでしょうか。
というか米国市民は、戦争はして欲しくない、するとしても米国軍人の命を失うことは極力避ける、こう言うことだと思います。
それでは何が目標かといえば、もちろん経済でしょう。当然ながら経済の活性化による人々の生活の向上でしょう。
環境の重視や、エネルギー節約の高まりも明らかに感じます。
米国が世界でもっとも人口の多い、中国とは経済面で良好な関係を結ぶことを最優先にするのも当然でしょう。
昨日夕方に訪れた議事堂のあたりは中国からの観光客がつぎつぎひっきりなしの多数でした。
経済では中国と米国は最重要な関係にあることは間違いありません。
軍事面での薄まりが進行したときに、経済面でのみ世界の中での帝国として振る舞ったときに、米国はいぜんこれまでの地位を保てるか、そのあたりが疑問です。
そこはかとない不満をわたくしのようなビジターが感じるのも、静かでおとなしい米国がこのままでいいのかと言うことです。
訪問者がおいでになったのでここでやめておきます。