池上彰さん的存在、泉ピン子さん、代わりがいない

テレビでしばらく池上彰さんが司会する番組を見ていて、思いました。池上さんの代役はいまの日本いないな、という感想です。希有の人です。どうしてこのような希有の存在になったのか、そしてどうして誰も代役が出来ないのか。考えました。
やはりNHKの子供ニュースを長年やったユニークな経験がものをいっているのに違いありません。どういう役割だったのか、しらべるとお父さん役とありました。そうだったのか、わたくしも昔何度もみて国内、国際のニュースを実に面白そうに説明するのを聞いて感心してましたが、そうかお父さん役だったのか。子供にニュースを伝えるのを先生的でなく、もちろんNHKのニュース解説的でなく、お父さんがこどもに話す、たぶんそれを10年以上やった(とネットにはでてます)とあります。これが池上彰という人物にすごい経歴を与えたのでしょう。いまはその時につちかったわかりやすさ、単刀直入の説明、右顧左眄しない説明の立脚点、見事な特徴はすべて子供に説明したり質問に返事したりする過程で身につけたのだな、と分かりました。ところでいまNHKの子供ニュースの説明役は誰がやっているのでしょう。将来の重要じんぶつでしょうか。

それで思いだしました。泉ピン子さんウイークエンダーというB級の事件をおもしろおかしく報道する番組ででてきました。日本テレビで1975年から10年くらい続いたようです。わたくし当時三〇代ですが、ラボの若者たちに彼女のごくごく短時間である出来事を見事に説明する能力をぜひ身につけなさい、とよくいったものでした。泉ピン子さんの出世番組なことは間違いなく、彼女のえげつないというか、すごい単刀直入的説明に感心したものです。いまネットで見ると彼女のリポート中の放送コードスレスレのどぎつい発言が受けた、とあります。なるほど。
この番組はいまの出来事報道番組バラエティの始まりみたいなもので、出演者にはざこばとか、やすし、きよし、がいて司会には漫画家の加藤芳郎さんがにこにことしながら仕切っていたのをおもいだしました。
池上彰氏と泉ピン子さんぜんぜん違うとも思えますが、でもどちらも代わりがいないという気がします。池上氏のほうが現在では代役がいない感がつよいですが、泉ピン子さんも本領発揮すればすごい人でしょう。
そういえば樹木希林さんというかたも代役はいませんね。
こんなことを書いてきたのも、若い研究者にどうこれから研究をするかと聞かれたら、相手があまり自信満々でなければ、代わりのいない研究者になりなさいよ。世界であなたしかいないというか、代わりのいない研究者になりなさい、目指すべき人たちの例を今日は書いてみました。
この世界、みんな似たようなトレーニングを受けていますから、そこから出色と思われるには,相当の違いぶりを見せつけねばならぬし、そのための準備期間がほんとうに大切ですね。

準備期間は最低10年とわたくしはおもいます。その間に芸というか人間的な基盤を身につけることですね。はい。

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