わたくしが編集長をしている雑誌はGenes to Cellsという名前で日本分子生物学会の機関誌ですが、出版元は英国のW社です。このあいだ会社の偉い方がおいでになってハードコピーの購入者が非常にすくないので近未来的に廃止にする、という報告を受けました。
すくなからずガッカリしたものの現実的にはまったくしかたがないとも思えるのです。つまりこのネットの時代高価なハードコピーを購入する必要性は低下しているからです。購入者の数をきけば反対はできません。
しかしながら、この雑誌いまは表紙でかなりの存在感を示しているのです。
実際の表紙を手に取る人の数は減っているのでしょうが、この表紙を楽しみにしている人たちはかなりいるはずです。
ハードコピーが無くなっても毎号の表紙、つまり一月号二月号を続けるかぎり表紙はありますので続くとは思うのですが、しかしながら、経費節減とでもなれば、また何月号という区切りを作らなければ表紙の存続は危うくなるかもしれません。
わたくしとしては、自分が編集長をやっているかぎりはぜひこの表紙は続けたいのですが、正直将来もだいぶ先になるとわかりません。
ネット出版の雑誌の表紙というのはどういう運命になっているのか、一般的なことは知りませんが、なかなか厳しいのかもしれません。
しかし、表紙あってこその雑誌というアナログ的発想はこんごも生き延びるのか、それともなにか新しい趣向がでてくるのか、おりおりに最近考えていることです。