今の日本、非常に難しい時代に入ってきたことはある程度の年齢に達した日本人なら頷くはずです。沖縄に住む人達はさらに難問を抱えています。
辺野古の新基地建設問題たいへんな難問でしょう。わたくしのような新参の沖縄県民には手に負えないです。それで、佐藤優氏のような胆力がありかつ中央と沖縄さらには世界をも見るマルチな視点をもちかつ、沖縄自体にどっしりとした意見を発せられる人物の意見が極めて貴重です。
わたくしは沖縄の困難な問題はまず佐藤氏が何をいうか、それを知った上で自分の考えを組み立てたいと思っています。
琉球新聞に氏はおりおりにウチナー評論なるものを書いています。最近のものでは、辺野古の新基地は無理筋と表現しています。辺野古新基地を建設を強行すると結果的に損をしますよ、というシグナルを氏はずっと日本と米国の政府に対して出し続けていると述べています。このシグナルに対して、日本よりも米国側のほうが感度が良い、といっておられます。
氏はそれ以上のことはいわず、安倍内閣打倒でもなんでもなく、単に損をします辞めた方がいいですよ、としか言ってない、それが現実的にベストだと思っているからでしょう。
そうなのかもしれない、そうなのだろう、とわたくしも思います。というか思いたいです。
いっぽうで、しかしながらわたくしは虫の良いことも考えたくなり、現存の沖縄にある飛行場というか空港は未来的には民間空港にも使えるようになると期待しているのです。どれも沖縄にとって貴重な社会的財産にある。
そうなると、辺野古に空港ができれば将来的には沖縄本島の北部の振興にはものすごく役にたつ。嘉手納も返還される事を期待すれば、普天間にある空港は危険プラス無駄だが、辺野古が民間空港に転換されれば沖縄にとって大変なメリットでは無いか、などとかんがえてしまうのです。
大阪の伊丹空港の顛末で学習したことは、あれほど大反対の地元運動があった空港がいまや大阪北部経済の生命線になっていることです。空港がうるさいなど、この10年間聞いたことも無ければ文章でも見たことがありません。
日本と中国、いまは角を突き合わせているような政府間関係ですが、長い目で見れば良い関係になるはずでしょう。
そうでなければおかしいし、日中両国がよほど暗愚でなければ関係が悪い状態が続くはずは無い。日本よりはずっと現実的価値をみる中国人の政府がいつまでも共産党のような態度をとり続けるとは思えません。日本人だって中国が台湾の人々のようになれば友好関係以上の最良の関係がきずけるのではないか。甘いといわれようが、そう思いたいし、そう願っています。
ですから、10年先は無理でも20年先は、日中関係はおだやかな平和な関係になっているに違いありません。それを考えたら、いまは非常にネガティブに見える辺野古新基地の飛行場部分の大きなメリットは考慮すべきだ、と思えてならないのです。