結局慣れてないことをやりだせば初心者とあまり変わらない、そういうのが率直な印象というか感想というのは最近よくあります。もうすこしベテランのはずだったのに、そんなこともない。
学術というか研究稼業ももう50年以上やってるので、研究については超ベテランと言われても仕方ないのですが、実際にはそんな感じはまったくない。
初心者の感じる難しさとほぼ同じようなことをいつも考えるし、決断が必要になっても初心者のように迷うものです。なまじいろんな事を知っているので迷いだすときりがないものです。
それじゃなにかいいことはないのか。考えているのですが、一つありそうなのはそう簡単にまったく新しい発見などできないということですか。つまり知識の量から無駄な時間をそぎ落とすことができているとおもう。
新規性を追求しても似たような研究はあるものです。ほんとにどこが新規なのか、何度も何度も吟味しているうちにとうとうそれまできづいていなかった新規性にはじめて気づくこともあります。
いま一生懸命やっている問題もそんな感じの問題で、マンネリのように同じことをずっと考えていたのですが、あるときちょっとしたきっかけから新しい側面が見えだしてきました。
初心者とどこがちがうのか、ほとんど違わないのですが、雑念の数が少ないような気がします。
雑念とは期待感とか不安感の類いですが、完全に無くなれば素晴らしいのですが、なかなかそうはいきません。
初心者とちがうのはどんな感情もいちどくらい味わっているので、今度はどれになるのか、なにと何の混ざりになるのかその結末をいつ頃味わえるのか、そういう雑念があることくらいですか。