そこには日本のワクチン接種の劣化が起きた原因が詳しく書かれている。読まれることをおすすめするが。誰が悪いでもない、ワクチンの副作用についての裁判で被害者勝訴があったっっ1992年に遡ってみないと理解しにくいのである。
藤氏の記述を引用すると、1992年に東京高等裁判所が予防接種の副反応訴訟で国に賠償を命じる判決を出してからだと言われている。判決が出ると「被害者救済に広く道を開いた画期的な判決」との世論が一気に広がり、国は上告を断念せざるを得なかった。その後1994年に予防接種法が改正され接種は「努力義務」となり、副反応への恐れの高まりから日本での接種率は急速に低下していった。国民の間に「ワクチン忌避」が高まったことによって、日本政府は外国と比べてもワクチンに対してかなり慎重な対応をすることを余儀なくされた。予防接種の対象である子供の数が減少したこともあいまって、日本の自治体から緊急時に実施される集団接種のノウハウがなくなってしまったのが現状である。(略)
日本で英国の成功例が紹介されることが多くなった。英国では昨年12月からワクチン接種が始まったが、その2カ月前に通常であれば接種を行う資格のない人も一定の訓練を受ければ接種を行えるように法律を改正した。英国政府に接種のためのボランテイアに応募した人の数は20万人を超えた。当初は心配する向きもあったが、結果は大成功だった。だがその背景には日本をはるかに超える新型コロナウイルス感染による犠牲があったことも見逃せない。日本の半数程度の人口の英国での感染者は400万人を超え、亡くなった人は約13万人である。1年以上にわたって新型コロナウイルスによる深刻な打撃を受け続け、「政府の対策が後手後手に回った」と厳しい批判にさらされたことが国を挙げてのワクチン接種を進める原動力となっていたのである。
日本はこれからどうなるか、わからないが英国はこれだけの死者の犠牲者を作ったのに日本はまだまだ傷は浅い、そして挽回は十分できる、とも言える。これから国民が団結して、団結という言葉が嫌いな人もたくさんいるのでしょうから、それでは心を合わせて協力すればコロナ抑制に成功できるようになるのではないか。心を合わせた努力ができるといいのだが。
そうなるように祈りたい。