日本の場合

きのうから雪がかなり降りましたが、坂本から比良山麓まで来てみると、なぜか積雪量が少なめな感じがしました。家の屋根にも雪は残ってないし、不思議です。ただ最後の100メートルは車通過がゼロだったので、10センチ程度の新雪上をゆっくり、ゆっくり進みましたが。

ファンウソク教授の経緯はため息がでます。最悪に想定されたコースを歩んでいる印象です。本人が辞任を申し出たと報道がありました。ふたつの胚性幹細胞が11個に水増しされたということは、確実なようです。さらに、そもそも二つの細胞が本物なのかどうか、患者のDNAとマッチするのかどうか、それはこれから調べるというのがソウル大学委員会の結論だそうです。他にもかなり広範囲な調査を行っており、それらの結果次第で、本人の申し出た辞任とは別に、懲戒的な処分が起こる可能性が濃厚です。

先日も書きましたが、韓国はダイナミックですね。ことの動きが早い。ソウル大学の委員長の声明はある意味で調査の途中経過なのですが、これが全世界に報道されているわけで、そういう意味で、対応が非常に早く効果的です。これまでこの問題について、韓国の大統領から庶民までの国全体でファンウソク教授を熱狂的に支持するムードに対して批判的であった科学者や科学ジャーナリズムの懸念を払拭する、非常にポジティブな意味合いがあります。
しかし、まだまだこの事件は進行中です。全貌が理解されるにはまだまだ先の話しです。ただ期待が持てるのは、この韓国のいさぎよいダイナミックな対応で、同時進行的に事件の推移と検証が理解されることです。

それに引き替え、日本の現状はどうでしょう。少子化や人工減少のことも問題になってますが、そちらよりも気になるのは、日本の体質になりつつある、なにごとも進行が遅いことでしょう。なにしろ社会の全般でのデシジョン(決定)の遅さではいまや日本は世界一だとわたくしは思います。やはり老大国になったのでしょうか。

ですから、研究の捏造問題にしても対応が遅くなるのは、特殊な現象ではなく、日本の社会全般にある遅さの問題でしょう。
それに、途中経過の報告がないのは、日本ではそれを要求する度合いが低いのですね。
大阪大学では、捏造問題についてすでに研究科の教授会レベルでは結論がでて、二教授に懲戒的な処分をするよう大学本部に申し入れがされてるようですが、マスコミも一紙しか報道しないなので、なぜか静かに決着を待ってるという、不思議なムードになってます。
わたくしもこの阪大のケースを論じたいのですが、確認されてない情報なので、議論しにくいのです。東大のケースは、RNA学会の指摘通りであれば、悪質のようにわたくしには思えるのですが、これもたぶん非常に長い経過をたどりそうな気がします。外国から見ると日本では何が起こっていて、どういう倫理観でことが定まっていくのかがさぞ分かりにくいでしょう。

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