韓国のファン・ウソク教授の経緯はため息がでます。最悪に想定されたコースを歩んでいる印象です。と数日前に書きましたが、きょうはまたソウル大学の委員会の報告で、やはり胚性幹細胞などはまったくないとのことでした。完全な捏造だとの断定です。
胚性幹細胞が盗まれた、当局に捜査を依頼したとの報もありましたが、もうこれも最後のあがきだったのでしょうか。米国にいるポスドクに口止めと思われる3万ドルをあげたとか、出ています。
日本では、関係研究者かこの問題を熟知している研究者の発言を気をつけて探しているのですが、ほとんどありません。不思議です。やっと見つけると、わたくしとしては、共感できるどころか、なにをとんちんかんな事を言ってるのだと、腹立たしくなるような意見でした。
もう一つ感じるのは、このソウル大学の委員会の対応の早さです。明らかになんらかの検査をしてデータを集めて、なおかつ結論を出しています。研究者集団として、立派です。わたくしは、日本の研究機関での捏造問題の対応の遅さをなんども指摘しているのですが、それよりも全般的なdecision makingの遅さのほうがずっと深刻なのかもしれません。わたくしも長年、大学におりしたから遅くなる理由は想像がつくのですが、やはりこうやって辞めて大学の会議に出なくなって、外部の人間になれば、その遅さは痛感してます。
日本の大学にダイナミズムがやってくることはもうないのでしょうか。
こんなことばかり書いてると気分がめいりますが、昨日は第2忘年会、Zでいろいろおしゃべりして面白かったです。
ラボの半分くらいが参加しましたか。この時、大掃除の後でも厳しくラボで仕事をしている人たちもいました。31日、元旦と実験のスケジュールを入れている強者もおります。もちろん、のんびりしてしまう人たちもいますが。一年のカレンダーはこうやって巡って行くのですが、研究のテンポがそれに合ってるわけではないので、研究者が9時5時ワーカーになり、休みにはきっちり休んでいるようでは、なかなか目立った研究成果をあげるのが難しいのは当たり前のことです。
年の終わり、研究室の出身者のことなどを考えめぐらします。どうしているかな、彼等はという気持ちです。ひとり、ひとり、顔が浮かんできます。外国に長年いる人達もかなりいるし、ご両親もお年をめされてきて、本当は、日本に戻れば家族的にはいいのだけれども、どうなんだろうな、と考えたりします。今、一時帰国している人達もいます。やはり家族は大切です。しかし、研究か家族かと二者択一を迫られたら困る人たちがたくさんおられるでしょう。
日本ではいまでもお正月には家族があつまるという良き習慣があります。
わたくしたちは今年は珍しく、元旦は二人だけになりそうです。三日以降に賑やかになるようです。