四人のボンボン首相候補

あしたから、わたくしたちが5年間やって来た特別推進研究(拠点形成型)の終了シンポジウムがあります。京大内での5つの研究グループが発表をして自己評価ならびに当然ながら他の研究者の評価も受けるわけです。
あまり評価、評価と緊張する方向でなく、非常に楽しく稔り多く研究させていただきました、という方向で終了したいものです。ただ、いまのところ、なにも具体的に拠点が出来るという流れがでてないのが不満ですが、まあしかたないでしょう。拠点がもともとあり、まだまだそれが存続すると考えてもいいわけですから。
研究室総出で参加します。

さて、国の予算もとおって、いよいよ9月の自民党総裁選までやかましくなりそうです。
民主党がまったくこけてしまったので、公明党はもちろんのこと、民主党、共産党までの広い支持者が自民党の総裁選に口を出す様になっています。

野党支持者のかなりが福田さんに乗ってるようですが、ほんとうのところ、この福田さんの政治哲学はよく分かりません。お父さんはかなりの「やせがまん」と「へそまがり」というか「あまのじゃく」のような気質を持った方のようにみえました。
息子さんもこれらのどれか、一つは持ってそうな気がするのですが、どれでしょう、あんがい「へそまがり」なのでしょうか。よく分かりません。官房長官時代の印象は、我慢強い紳士というものでしたが。
安倍さん、というかたはたいへん分かりやすいです。すくなくともそう見えます。やはりかなりのイデオロギー人間と見受けました。またロマンチストなのではないでしょうか。いちばん人気があるのはまちがいないのですが、ここで首相になるのがご本人にも日本にとってもよいのかどうか、そこが分かりません。日本にとっては、かれが強力なリーダーになれるような態勢を組めるかですが、足を引っ張ろうとする人は数限りなくいそうな感じで、すこし時期がわるいのではないか。福田さんがやって、日本がさんざんな目にあって、その後やる方な場合のほうがいいのかもしれません。いい意味でもわるい意味でも岸信介元首相のお孫さんというニュアンスが国際政治にでるとちょっと厄介かもしれません。
わたくしは、この人気のない麻生さんが面白いと思ってます。
谷垣さんも含めて、4人のボンボン(失礼な表現ですが)のうち、いちばん未知数の感じがします。とりあえず、吉田茂元首相の孫です。会社の経営もそれなりにやって、遊び事もスポーツもひととおり人並み以上におやりになってるらしいです。
べらんめえで失言も多いのですが、言いたいことは言う、タイプだし、やるべきことはやると言いそうだし、首相になったらなにかやりたいことがありそうです。いちばん興味のあるのは吉田茂のなにが継承されているかで、これは分かりません。吉田茂の息子吉田健一さんはたいへんなインテリかつ遊び人かつ尊敬すべき文化人でした。
谷垣さん、見た目にさえないですね。でも、このひと日本人の平均的な感覚でみたら、ずいぶんしっかりしているし、言うべきことも言ってるし、等身大日本人の首相ということで、それなりにいいじゃないですか。誠実そうな感じがするし、柔和だし、この人が嫌いなら、日本人の大半が嫌いになるということです。あんがい、谷垣さんをおしたてて日本の政治、経済、外交を数年やってもらうのが波風たたなくていちばんいいのかもしれません。
しかし、この4人の候補、みんなホントに立派なボンボンですね。ボンボンのいい点はやはり立派な取り巻きがいて、本人がヘンなことをしそうになったら、止める人がいるのでしょうか。スキャンダルもありませんね。そういえば、小泉首相もかなり変人的なボンボンなのですが、いろいろスキャンダルあるそうだったのにまったく盛り上がりませんでしたから、これも立派な取り巻きがおられるのでしょう。

それにひきかえ、ボンボンでない、民主党の代表や、なかなかやめない東大出の永田議員さんは出所進退ぜんぜんだめですね。
困ったことですが、にほんはやはりボンボンでないと政界はうまく生きていけないようです。

なおここで、ボンボンという言葉は、辞書にあるとおり上流家庭の子弟という意味以外に使っておりません。

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