DNAはモノ

おだやかな日でした。ゴールデンウイーク一週前で、沢山の木々が芽吹き、沢山の花が咲き出して、一年でいちばんいい季節がやって来ました。花も気の毒な感じで、この時期に咲いては、個性も発揮しにくく、どれもとても美しいのですが、ひとつひとつの美しさをめでるには種類が多すぎます。

早朝から、土をならして、準備もできて、昼過ぎにはいろいろな苗を買ってきて、夕方には全部植えてかなり満足状態です。忙しいけれども、余裕もあって、ほんとに楽しい一日でした。種をまいて、菜園をやるのがたぶんベストなのはわかってますが、時間がないガーデナーには、このあたりが妥協点です。
敷地の端を流れる滝川は水量も多く、じっと見てると魚でもいそうですが、じっさいのところ、ここで魚影を見たことはありません。しかし、釣り人にいわせると、ここでもイワナがいるというのです。ほんとでしょうかね。

北朝鮮に拉致された横田めぐみさんのお子さんのヘギョンさんや親族のかたがたのDNA鑑定から、父親が韓国から北朝鮮に拉致された金英男さんである可能性が極めて高いといわれています。
親子鑑定にDNAをしらべるのがもっとも信憑性がたかいことは、いまではだれでも認めるようになりました。99%の確度というのも正しく受けとめられてるようです。
DNAはよく遺伝子暗号とか記号とかいわれてますので、それ自体が物質であることが忘れられがちです。でもDNAはあくまでも物質ですから、親から子へモノとして伝達されることがもっとも大切な事実なのです。よくいわれるようにDNAは、生命を継承する物質なのです。

このDNAのモノの性質をいろいろ変えたりしているのはタンパク質ですから、DNAの研究は結局大半はタンパク質の研究でもあるのです。なかなかこのあたりは世間では理解されにくいのですね。
DNAという言葉をかなり正確に把握している表現は色んなところで見かけますが、このDNAとタンパク質の関係をうまく表現したケースを一般のかたがたの世界では見たことがまずありません。わたくしもそのあたりに挑戦したいのですが、まだ芸がそこまでいってません。
たぶんDNAがモノであることはよくてもその振る舞いが知られていないのでしょう。そのあたりを誰にもわかるようにうまく説明する必要があるのでしょう。

ともあれ、DNAがモノであることが意識されれば、そのすべての振る舞いになにかが必要なことが意識されるでしょう。そして、複製とか分配とかに沢山の種類のタンパク質が必要と聞いても当然と思うでしょう。

DNAはモノである、それはどんなモノなのか、そのポイントに好奇心を抱いていただければ、色んなことが理解されるでしょう。

また、ここがいちばん大切な点ですが、いまのわたくしたち専門家の持っている知識が一般のかたがたの疑問に答えるに十分な知識がDNAの振る舞いを決めているタンパク質についてあるかどうかです。どうもまだまだ非常に不十分な気がします。
たとえば、がん細胞がDNAの一部が他の正常な体の細胞とは異なるということは分かっていますが、どのようにDNAの一部が変わったら、細胞が悪性でになって、がん細胞として増殖をし続けるのか、そのあたりはほとんどの場合まったく説明できないのです。

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