パロマ工業製の湯沸かし器による、一酸化炭素中毒事件が話題になっています。
血液のヘモグロビンに酸素の代わりにはるかに効率よくしっかり付いてしまいますから、体内が酸欠になります。呼吸毒として一酸化炭素C0が恐ろしいのは、体内酸欠で死に至るばかりでなく、中毒のあとの後遺症も深刻なことです。炭火を部屋の中で大量につかって換気がわるければ中毒になります。また火災がぼや程度でもいまの日本家屋は気密性が高いので、一酸化炭素中毒死をするそうです。
中毒の後遺症としては、パーキンソン病と似たような症状を見せるそうですし、中毒自体が風邪とかなにかと誤診されることもあるそうなので、炭火やガスの火を室内でつかう職業のひとは特に気をつける必要があるとおもいます。気づかずに後遺症で苦しんでいる人が世の中に多いのかもしれません。
このパロマという会社がかなり昔から中毒死を起こした製品があることを知りながら、ほうっておいたのは、まったく不思議です。企業としてはいったいどういう危機管理意識があったのか。
ところで、タバコも量は少ないですが、一酸化炭素を出します。口の中から肺に直接一酸化炭素を送り込んでいるわけで、軽い中毒をタバコによって、引き起こしている人達がいるのでしょう。
そういえば、アスベストによる悪性中皮腫のケースですが、最近の記事で、クボタの工場の近くでお住みになっていた女性の患者さんの肺に多量のアスベストが見つかったということでした。アスベストによる悪性中皮腫の発生は何十年も前からわかっていたことで、クボタがながらくみずから環境を大切にする超優良企業と呼んでいた、あの広告はいったい何だったのでしょうか。
京大病院で生体肝移植をした患者さんがドナーの肝臓にあった病気(アミロイド・ポリニューロパシー・FAP)が移植後5年で発症してしまったという記事もありました。予想では20−30年であったというのですが、移植をしたがわと患者のもとの担当医師のコメントがあるのですが、50代の女性患者ご本人の意見は記事にはありません。どのようなお気持ちなのか。
生体肝移植というのは、聞いたところでは何千万円もかかる治療で、たとえ失敗しても患者が死んでも代金は取り立てられるので、先端医療の光りの部分だけではなかなか実態がみえません。このドミノ型の移植、学会では調査するということなのですが、患者さんがこのような危険性を最初から知っていたのか。また同じ治療を受けた人達がどの程度いたのか、そのあたりもわかるといいと思うのです。
最後にもうひとつ、今朝の産経新聞で読んだのですが、子宮頸がんのほとんどすべてのケースはウイルス感染によると言うことでした。わたくしは恥ずかしながら、知りませんでした。90年代には確立していたようです。
ヒトパピローマウイルス(HPV)というもので、性交渉によって感染するので、たいへんありふれたウイルスなのですが、保因者以外は頸がんにならないので、因果関係はあきらかなようです。最近では20代30代の子宮頸がん患者が急増しているとの記事でした。国内で毎年7千人の新規患者が出るそうです。うち2400人がなくなるのだそうですから、女性にとってはたいへん怖い病気です。
たくさんある、HPVのうち数種のみが高危険性なのだそうで、これからはワクチンによって感染を防ぐことがもっとも期待されていると記事にはありました。