お酒と化粧品 分裂酵母の利用

昨日の試合、オシム監督の初采配でしたがなかなか新鮮でした。特に前半はかつて見たこともないような狭いところでの球をまわしているあたり、期待が持てます。三都主選手の見事な2点もあり、前半は非常に堪能しました。しかし、後半はだれてしまって、面白くなかったです。でもこういう試合はよくあることで、特にどうということはないのですが。今朝の新聞やネットを見ると、意外に辛口の評価が多いのに驚きました。新監督のエスプリ溢れる言葉に影響されたのか、まわりもどんどん辛口になってるのでしょうか。
わたくしは、新監督は選手に知性を要求するというひと言でもう全幅の信頼を寄せています。サッカーもやはり、知性なのですか。
わたくしも院生に要求してきたのはまさに知性でした。

ここ数日、まいにち数時間みっちり、議論を数人のラボメンバーとしています。疲れるので、同一のメンバーと毎日やるような方式をとっています。これ意外にいいみたいで、長々やるよりかなり生産的とおもいました。頭にしっかり残ります。それに復習効果もあります。

わたくしは長年分裂酵母という酵母を使って研究してきたのですが、一つ肩身の狭い思いをしたのは、もうひとつの酵母である出芽酵母がビールやワイン、日本酒の発酵生産につかわれているのに、この分裂酵母はそういうものにはあまり向いてないととおもわれていて、せいぜいラム酒とかある種のビールくらいしか利用されていませんでした。それで、どうもアカデミックな感じが強いのですすが、ただ色々な生き物としての性質が高等動物と似ているので、優れたモデル生物としては誰もが認めるものになっていました。

ところがごく最近、ネットでたまたま分裂酵母の化粧品なるものがかなり活発に販売されていることに気がつきました。二社から出ています。外国製品でなく、国産のように思われます。かなり高価ですが。ホントかどうか知りませんが、使用者の評価は高いとか。しかもその広告文がわたくしにはかなり面白いのです。以下にちょっと引用します。

広告文にはこうあります。
分裂酵母とは自然界に存在し、乳酸菌やこうじ菌などのように人にとって有用な働きをする酵母菌の一種です。分裂酵母には、人間の細胞と同じように、「分裂」することに大きな特徴があります。そして、私たちのお肌を作っている「アミノ酸」とその性質が大変よく似ているので、お肌にす〜っとなじみ、肌奥へ届いてくれるのです。

前半の文に誤りはありません。

一般的な酵母では、出芽という人とまったく違う増え方をする
分裂酵母では、人と同じ分裂という高等な増え方をする

この文章にはちょっと問題はありますが、広告文ですから目くじらをたてることはないでしょう。

(感じる酵母)の分裂酵母って何ですか?
一言でいうと自然界に存在している天然酵母のひとつです。
この分裂酵母は、私たちの肌(角質層)の潤い成分であるNMF(天然保湿成分)と非常に似た組成をしている為、肌になじみがよく肌の老化の原因のひとつである乾燥から守ってくれる成分として私たちは着目しました。
分裂酵母の働きは?
この分裂酵母のアミノ酸は角質層のアミノ酸組成と似ている為、肌なじみがよく、肌の乾燥を防いで潤いをおぎなってくれます。
すばやい角質の修復によって、古い肌が剥がれ落ちて、くすみのない弾力と透明感のあるお肌に生まれ変わるのです(新陳代謝が活発化し、新しい肌に生まれ変わります)。
分裂酵母を含むこれら4つの主成分の働きにより、加齢とともに発生するお肌の悩みに働きかけます。

こういう理由で化粧品が出来るらしいのです、わたくしにはこの化粧品がいいものだとサポートすることは出来ませんが、こういうことがあって不思議はないくらいのことは言えるでしょう。むしろ、利用した人の意見を直接聞いてみたいものです。老化に対する化粧品は世界中でお金のかけ方は将来的にお酒を上回るかもしれません。

役に立たないのを自慢していた分裂酵母がそのうちもっともお金を生みだす酵母になったりしたら、どうしましょうと、真夏の夜の夢のような、なんだか恥ずかしいような半信半疑のお話しでした。

タイトルとURLをコピーしました