なぜ理系出身者のトップが日本ではすくないのか?

今日はおもわず昼過ぎにひと眠りしてしまいました。畳の上でのごろ寝ですが、気持ちいいとはいえ起きた後の汗のでかたがちょっとひどい。
ここのところ、妻のがうつって、一日に一問、数独(SUDOKU)をやっています。詰め碁を解くようなものですが、詰め碁とちがって、時間をかけるとかならず解けます。気持的に後に残らないのでよろしいが、もっと難しい問題集を買わないといけません。
経済学の橘木さんが週刊東洋経済の4月号に、「法学部優位をやめて理工系人材の登用を」というエッセーを書いています。

話しの骨子は日本では法学部でのトップが多い。明治以来の官僚国家の特色が尾をひいているのだろう。官庁のトップはとりわけ法学部が多い。法であって、経済でないのは、経済規制が強かった日本においては民間企業すら役所の指示を仰ぐことが多く、東大を中心にした法の卒業生が経営者になってきたケースが多い。製鉄、電力、ガスや金融など規制の強かったところでは法学部出が圧倒的に多かった、伝統的に経済学部では法学部出身者の下になっていたのは、法学部出の人たちの強いエリート意識や日本の昔からの身分的なものとも関係あるかもしれない。
ここで橘木さんは日本で理工系出身者のトップがすくないと筆致をすすめる。
たとえば第I腫公務員採用時は文理は理系が55%文が45%であるが、次官や局長に昇進した人達の内訳は10%と90%である。上場企業では理工学出身のトップが28%であるが、英、独、仏では55%程度である。
なぜ理工系が不利なのか。上述の法優位がすべての分野に浸透している。第二に企業内で、モノを作るよりも売ったり、ヒトを管理しカネを動かす人間が尊重されてきた。第三に理工系の人達は狭い仕事に生きることが多く、かつコミュニケーション能力に欠ける人達がおおく、そもそも昇進を望む人が多くなかった。文系は人付き合いがいいし、企業内や対外的にも摩擦を起こす人がすくなかった。また昇進を求める人も多い。
学力では、一般に理系のほうが文系よりも高い傾向があるので、学力的自負心が理系は強い傾向がある。しかし、理系出身者の中にも開放的な性格を持ち、昇進を望むひとも少なからずある。
日本社会がこれまでのように、文系優位の策をとり続ければ、優秀な理系のひとを有効につかっているということにならず、人材配置に矛盾がある。優秀な理系受験生が所得のたかい医者を養成する医学部に殺到しているのも矛盾の例である。企業は官庁でも学力が高く、学生時代に文系より勉強してきた理工系の人材を大切にせねばならない時代となっている。

だいぶ長い引用となりましたが、文系の人がこういってくれることに価値があるのでしょう。理系の人がそういってもなかなか説得力はないでしょうから。

橘木さん、軽いタッチでわりあい深刻な問題を取り上げています。また言いにくいことも言っています。

理系出身者はそばから見ると、みずから求めて損をしたがるような感じの、ちょっと自虐的なひとが多いのかもしれません。理系の場合、勉強しすぎるといけないような気がします。他人と上手につきあう時間もなければ昇進は難しいでしょうし。理系を目指す人のうち学力最優秀層が医学部をめざすという「矛盾」はやはり識者の関心を引いてるようです。
橘木さんは日本各地の最上位富裕層を調査してやはり医者の比率が非常に高いことを指摘しています。日本の社会における、ここ数年で顕著になった経済格差の広がりを最初に指摘した人でもあります。

タイトルとURLをコピーしました