連休前にひとつひそかに楽しみにしていたことがあった。退職金である。3月31日に退職になったのだから、連休前には出るだろう、と思っていた。しかし出ていない。
これまでのローンの借金を払って、身軽になりたいのと、長年の妻への労苦にたいして、とりあえず感謝金を払いたい。それに平素は食べにくいような場所で記念の晩飯くらい食べたいと思っていたが。
妻はK大はもったいぶってるわね、という。わたくしは往生際が悪い、と思う。
この退職金についてはいままでにおどろおどろしい感じの書類が届いていた。まず随分前に予行演習のようにあなたの退職金の概算はこれくらいで税金がこれくらい引かれます。しかし、これはあくまでも概算ですとあった。そのような書類はなんのプライバシーの保全もなく、大学内の担当事務からやってきた。
さらに2週間くらい前か、以下のような付箋付きで辞令がとどいた。
関係分野主任教員(または、担当者)殿
3月31日退職教員の退職手当の辞令が届きましたので、お手数をおかけ致しますが,貴職より交付等(送付など)よろしくお願いします。○○研究科総務掛
辞令には人事異動通知書とあり、
氏名、元職とあり、
本文は、
退職手当として金○○○○○○○○円を支給する
(国立大学法人K大学教職員退職手当規定第○条第○項、附則第○項)
平成17年3月31日 K大総長○○
つまり退職金支給は人事異動通知書によることであり、支給とあるが、いつ支給するかは書いてないので、お上が気が向いたときにいつか支払われるというようなことなのでしょう。
この間の伝達には、いっさいのプライバシーは配慮されてない。この書類は親展でもないし。そもそも誰かがわたくしにむき身で直接手渡すかもしくは送付される辞令なのである。秘書さんも関係事務員はすべてこの紙切れを見た人達は、わたくしの税引き前の退職金額は知ることになる。
事務職員のだれだったか、わたくしに面前で「先生のはすごい金額ですよ」とのたまわったのがこの1月頃だから、わたくしが具体的な金額を知るはるか以前に彼等にとっては周知の事実なのだろう。
たしかに退職金の目減りが起きている昨今、わたくしは非常に運がよいほうなのだろう。定年の数年前に研究科長をして、いくつかの文科省や政府の関わる賞を頂いて、定年時の給与は数年前に比べると相当増えていた。退職金の計算には退職時の給与が係数の一つなので、多くなる。
わたくしにとって、K大の本部でやることは、なにごとによらず、信用してないので、この程度のできごとには驚いてはいない。退職金がまあ夏休み前にでればよしとしましょう。
これを読む退職間近のK大関係者がいたら、なにか参考になると思いまして、ちょっと書き留めておきました。他の大学はもうすこしましだと聞いてます。