きょうは沖縄です。早朝に発って来ています。
わたくしは前々から生命科学を小学校の3年生くらいから必修にして、国民レベルでの生命科学、遺伝子科学の基礎知識をもつことが、むかしの読み、書き、そろばん並に必要だと主張して来ています。ITが21世紀のそろばんとして誰もが認めていますが、生命科学についてはなかなか認められません。しかし、昨今のあるあるなんとかテレビですぐ内容を信じてしまう、サプルメントなども鵜呑みに信じてしまう。そういう状態を直すために本当に生命科学の国民教育は必要だとますます思います。
それが柳沢厚労大臣ですか、女性の10代から50代までは産む機械とは、まさによくぞそんな表現をしてしまったものだと、思います。大臣はたぶん生命科学の基礎用語が欠落しているのだと思います。健全な常識がないので、このあと生命について何を言ってもたぶん常に失言をする可能性が高いです。あるあるなんとかの番組が、やればかならず捏造をしてしまう体質と同じです。
科学的なものの考え方をするうえで、生命をきちんと科学的に考えることがとても大切です。わたくしが何年か前に「生命科学はこんなに面白い」という本でかいたことはそういう生命科学をいかにしてすべての国民の常識というか徳目、場合によっては道徳教育のようなものとして分かっていただけるように努力して書いたものでした。
柳沢大臣には、「母性」という誰もがしっていることばを謹呈したいと思います。
機械などという言葉を決して使ってはいけません。女性には「母性」という本当に素晴らしい力というか授かった能力が備わっているのです。この母性を神様のように尊いものと思われてもいいと思います。
母性を論じる時には、男性も女性も、識者も普通の人も、いい加減な気持では論じられるはずがありません。どこかで頭をたれながら、論じるべき話題です。こういう言い方をすると、いやがる女性がいることもわたくしは知っています。でも人間が直接にかかわる生命科学教育はいい加減な用語でやってはいけません。
生命科学というのは、生命倫理と直結しています。
生命科学として人間の母性を記述しようとすれば、それは柳沢大臣がいう、産む機械という表現はもっとも野蛮な言い方に近いものでしょう。受精卵から妊娠し、赤ちゃんが育ち、出産するまでは、科学的にみても神秘といってもいいくらいの謎があり、驚異でもあり、また大変な喜びを得ることの出来ることなのです。
他のことでは大変教養もありそうな大臣ですので、ぜひ生命科学についても基礎教養を持って頂きたいと思います。