エイプリルフールにふさわしく、なんか面白い笑えるはなしでもしてみたいのですが、どうも風邪が完全にはなおらず、連日の接客的生活からの疲れがとれずでそういうはなしがおもいつきません。それに坂本のリフォームの終わった家に昼から戻って、さっそく2階に膨大に溜まっているいろんなものを1階へ運び出したので、その量の多さと整理の大変さに、ますますくたびれてきています。
昨日、PFさんとふたりだけでおしゃべりした時間ではかなり笑ったはなしがあるのですが、ゴシップなのでここに書くわけにはいきません。やはりゴシップというのは、人事百般笑えるはなしが洋の東西を問わず多いようです。
ちょっとだけ見たのですが、都知事候補者のテレビ番組思い切りつまらないですね。浅野さんはやはりちょっと東京都民にはうけないでしょう。石原知事もすでにかなり雑ぱくで、3期目は相当いい加減になりそうなのに都民の多くはマジックにかかったように彼に投票するのでしょう。候補者のなかで面白いのはやはり黒川さんですか。独断と偏見的ムードは相当ありますが、才気煥発、巧まざるユーモアがあって、人物的には例の安藤氏などよりもずっと面白くみえました。しかし、都知事選は実につまらない選挙になってるというのが実感です。都民にとっても悲しいことですね。
万波誠氏の腎移植手術を断罪する学会の声明というのですが、報告というのでしょうか、新聞に大量に出まわっていますが、同じようなことがずっと報道されていますので興味がもてません。新聞はそう書いてありませんが、万波氏が断罪されるのがよほど嬉しいようにみえます。というか、よほど悪い人だと、世間に納得してもらうのに一生懸命のようです。本当にそうなのでしょうか。
わたくしは、知り合いの医師(複数)から「先生もう意見いうのやめなさい、まともな医師はひとりもこんな手術認めてませんから」、といわれて、うっとうしいので発言控えていましたが、こういう学会のひとがいってることがどうにもピンとこないので、困ったものだと思っていましたら、興味深い記事を産経で見ました。
記事は「病腎移植の芽を残したい、病理医・堤寛さんがつづった手紙」と題するもので、藤田保健衛生大学堤教授は、この問題の調査をするために派遣された専門委員会(6人)のひとりで万波医師の医療を綿密に調査した方です。記事は長いので、そのなかで、わたくしの関心を引いたところを下に記しておきます。
堤教授が見た万波医師の実像は、調査前に持っていたイメージと違うものだった。
万波医師の患者に向かう姿勢に深い共感を持っております。『すごい人がいる』が私の実感です。彼は患者に寄り添っています。よほどの自信と信頼がなければできないことです
病腎移植を受けた患者の多くが、親族からの生体腎移植を受けた後に病気を再発し、しかも通常移植より高齢で、病腎以外にドナー(臓器提供者)を得られない 身だったこと。都会の医療を受けられる経済状態ではなく、透析生活のつらさに耐えられず、移植を強く望んでいたこと。患者たちの生存率が、年齢や健康状態 のわりには死体腎、生体腎に劣らないこと。それらの事実に心を動かされ、「患者さんの経済状態を考慮し、最小限の検査で診療したことも痛いほど分かりまし た」とも記している。
ただ、万波医師は病腎移植にあたって倫理審査を行わず、カルテの記録もずさんで、患者やドナーへのインフォームド・コンセント(説明と同意)の手続きを文書化していなかった。これらは、新しい医療を行う上で致命的な誤りというしかなかった。
「彼にもう少し欲があれば、科学的志向性が強ければ、まったく違う展開になったでしょう。残念です。でも、それがあの人の人となりなのでしょう」
万波医師は、手を尽くした末の最後の手段としてしか病腎の摘出を選択しなかったと堤教授は確信している。だが、専門委は万波医師に、質問に答える以外は発言を許さず、「教科書にない」「記録がない」などの理由で主張を退けた。
万波医師は確かに日本の移植医療のルールを無視した。だが、「患者さんのためだけを思い、名誉欲などみじんもない医者をいじめてどうするのか」。
わたくしは、この堤教授の手紙に感動しました。かれの意見は専門委員会ではまったく無視されたようですが、医学と医療のあいだにある、いろんなことが見えるし、医師万波氏の献身的な姿もこの手紙から伝わってきます。かれの卓抜にして新規性の高い医療は医学界にはまったく認められない点でも大変興味が深い。
わたくしは、間違いなく歴史の審判は万波氏を断罪するものにはならないとおもいます。
万波氏の考えと医学界の対立をしっかりと検証していけばいろんなことが見えると思います。医療は患者の数だけ方法があっていいはずではないでしょうか。その中には、経済状態とか患者の主観による残された生命の時間とか、そういうところに寄り添った医療があってもいいのだと思います。そこのところを堤教授はつよく印象にうけそのうえで、病腎移植の可能性をのこすべく努力をされているようでした。
わたくしも、この記事を読んで、移植学会はかなりいかがわしいという印象を持ち出しました。
堤教授は「学会とは融通のきかないものですね。それに輪をかけてマスコミはひどい」と述懐してるようです。
わたくしは、若い人に、戦前に支配層の考えと違う人達がどのようにマスコミに断罪され、葬られてきたか、そのような体質の一端がいまの右習えマスコミにあることを示す典型的なケースだと思っていました。しかし、この産経に現れた一つの記事でホッとしました。