生きがい、倒錯的な感情

わたくしの今の生きがいの一つは、一年とか二年先の主要な国際会議に招待されることです。昔の話しをしてくださいという類のはけっして行きたくありません。
いま、いちばん面白いとおもう新しいデータと考えというか新概念があったらそれをしゃべってください、こういう類の招待がいちばんうれしいし、まさに研究者としていきていて良かった、という類の感があります。つまり現場の人間の会ですね。それが一番です。
もうだいぶ前から、長老格になってしまいましたが、日本のように乾杯の音頭をとれともいわれないし、20台の若者のように振る舞いたければ(まったくそう見えなくとも)そうできます。それで、来年から再来年にかけて、すでに三つほど、現場ちゅうの現場の最高クラスの面白そうなのに、よばれているので、なんとなくやはり嬉しいです。
いつまでそんな状態が続くかな、と思ってもう5年くらい経ちました。もうすこし続きたいものです。
沖縄のほうはまだこちらが押しかけていって話さねば、というのが海外に関しての状況ですが、それで十分です。真の意味での同僚はほとんどいないのが実情ですから。これから、新しい分野を作るという勢いでやってるつもりですから。
来週の月、火曜には沖縄の話しをしてください、と言われて東京にいってプロテオーム学会というところで二日間話しを真面目に聞いてこようと思っています。いちおう国内では最近ちょこちょこ席がかかるようになりました。ありがたいことです。ついでに勉強も出来るので、一挙両得です。面白い話しをつくるべく、頑張らねばなりません。

梅雨明けで非常に暑くなったので、明日の畑作業は朝、夕方にして、日中は発表準備に専念しましょう。
ラボの方はいまはがらんとしていました。聞いてみると、有名なK博士の講演会だったのです。K先生は偉大な生化学者といわれもう80才ははるかに越えています。最近まで(もしかしたら今も)現場でやっていたとのことです。
こういう講演会もちろんけっこうですが、日本では63才で事実上じじ捨て山に研究者をことごとく放り出して、何も出来ないのが現状なのにこういうかたの話しを聞いてそれでどうしょうというのだろう、というのがわたくしのポスターを見たときの率直な感想でした。若い人はこういうえらい方の話しを聞いて、彼我の差について何をかんじるのでしょうか。
わたくしは、まだ今年は生き延びていますが、K先生ほどの年齢まで現場で頑張ろうと思ったら、気が遠くなるような努力をしてもたぶまったく駄目でしょう。可能性ゼロでしょう。
だから、そういう倒錯的な感情になるかもしれない講演会などまっぴらご免、決していきたくないというのも正直な感想です。

携帯が直ったのか、使えるようになったとかで、これから三条まで出てそれから帰ります。

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