哀切な声、犬と猿談義

あさ選挙カー、苦戦と伝えられる候補がわたくしのすむ町に来ました。これ以上ボリュームを上げられないスピーカーから、哀切な声が聞こえました。助けてください、とははっきり言わないものの、それと同義の内容でした。女性の声でした。若くはないがでも非常に年はとってない。この年代の女性の、こんなに哀切な声、久しぶりに、こういう声を聞きました。本気だったのでしょう。でも、これが日本国の選挙か、とおもいます。久しぶりと書きましたが、前回はいつかわかりません、昔の演歌でこういう声を出す歌手がいたような気がしました。比良のほうに昼頃きたら、選挙カーはまったくこないで静かでした。全県で一人当選の選挙ですから、回りきれないのでしょう。静かでありがたいことです。

わたくし、吠える犬は大嫌いです。吠える犬を見ると、特にわたくしに向かってですが、その飼い主を罵倒したくなります。もちろん敵意らしきものを顔にあらわして吠える犬ですが。尻尾を振って吠える犬もいますが、それも好きではありません。
いちど、どこだったか、一人で入ったバーだったか、先客の連れてきた犬がわたくしに激しく吠えたので、マスターにお客さんだね、と念を押してから、すごいいきおいで文句をいったことがあります。自分でもあきれるくらい、口がよくまわって、こういう酒を飲みに来る店で客に吠える犬を連れてはいることがどれくらい罪深いかを、いったものです。さすが、こういう客ですから、すんませんなあ、といったきり悪びれもせず居続けましたが。犬も次の客がきたらまた猛然と吠えましたが、わたくしにはもう吠えませんでした。
サルは吠えませんから、きらいではありません。本当は。顔を見ると、表情豊かだし、おもしろい動物なのだと思います。でも、自分が食べたいとおもって作ったものを先に来て食べてしまえば、当たり前ですが憎たらしい。いま、あちこちでサルの被害をききます。石積みで有名な穴太あたりの山沿いの住宅地にやってくるサルは家の中にどんどん入ってきて、ジャムの瓶など小脇に抱えて食べられるものはすべて食べ尽くすと聞いてます。比叡山ドライブウエーの入口に大津市牧場とかいうのがあって、そこでは悪質なサルを捕獲して、殺せないので、天寿まで飼うのですが、その飼育係さんがサルに与える食べ物の量で、けんかして全国ニュースになりましたが、その背景には、サルを薬殺できないという事情があるらしいのです。法律で禁じられてはいないのでしょうが、だれもやろうとしない。ハンターもサルを射殺できないというかしないのですね。
動物愛護という感覚で殺せないのでなく、サルには神様がついているという発想なのだとおもいます。日吉大社ではサルはかみさまのおつかいかなにかのはずです。

それにひきかえ、犬はあっさり保健所の人が来て、必要なら薬殺(たぶん)してしまいます。つまり、犬はかわいがる人は沢山いますが、保健所にいって「しょぶん」してもらう飼い主すらいるようです。サルのほうはかわいがっている人がほとんどいないのに、殺されることはない。これは全国で通用する話しなのでしょうか。
外国、とくに英国に沢山生息するアグレッシブな動物愛護者はこのあたりの日本の犬サル事情をどう見るか、いっぺん聞いてみたい気がしています。
なおわたくしは、吠える犬はきらいですが、愛嬌のある犬、かしこい犬、静かな犬はすきです。念のため。

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